庭木・植木の植え方(地植え編)

庭木・植木の地植えの仕方

 

苗が届いたらすること

 

  • まず、箱から商品を全て出して、状態を確認してください。商品に異常があれば交換対応を行います。お届け後2日以上経過した苗の交換はお受けできません。届いた苗の土が乾いている場合は、たっぷりと水を与えてください。乾いていなければ水やりは不要です。(解説:水やりは基本的に土が乾いてから行います。)
  • すぐに植え付けしても大丈夫ですし、すぐに植えることができなくても大丈夫。水管理さえすれば半年でもポットのままで大丈夫です。根巻苗は2か月くらいを目安とします。
  • 庭木・植木の植え方。詳しく書きすぎたので、サクッと植えたい人には読むのはおすすめしません。
冬の落葉樹!枯れてる?枯れてない?
樹皮を爪や刃物で少し削ってめくってみて、樹皮の内側の形成層が緑色をしていれば、その部分より下は苗木は枯れておりません。

用意するもの

 

  1. 堆肥“極み”を15リットル程度やピートモス、苦土石灰
    土壌改良をする用土です。木の植え付けでは腐葉土ではなく、広葉樹の樹皮を発酵堆肥化させた堆肥極みやバーク堆肥を使用します。
    弱酸性土壌を好むサツキなどのツツジ科の植物などにはピートモスを使います。
    弱アルカリ性土壌を好むオリーブやいちじくなどには、苦土石灰も土に加えます。
  2. 苗木
  3. 支柱
    風が吹く場所に植えるならあったほうが良い。

庭木や植木の植え付け時期

 

植木は秋植えが最適です。水を欲しがる初夏以降までに根と土が馴染む時間が長く取れるからです。
寒冷地では厳冬期は避け、10月までか、2~3月頃に植えるのが最適です。

 

暖地では真冬〜春に植え付けしても問題ありません。
それ以外の植え付けでは植え付け後の水切れに注意して育ててください。

 

夏に入手して秋まで植えるのを待つくらいなら、地植えしてしまった方が水管理が楽なので、植えてしまいしょう。ポット苗や根巻き苗の限られた土量では乾きも早いですし、生長も抑制されています。地植えした方が水切れしにくいですし、生長もしやすいです。

 

庭木や植木の植え付け間隔・植え付け場所

 

目隠しや生垣樹では、植え付け間隔は30cm~40cmが適当です。間を開けすぎると茂るまでは目隠しになりません。間隔を狭くすれば隣同士根が喧嘩するので、樹高は低めになりやすいです。

 

 

大きな生垣を目指す場合は、1m 間隔くらい広めに植えましょう。

 

将来に枝を伸ばしても良い間隔を想像して、植え付け場所を考えましょう。敷地外や交差するように隣の木に枝が伸びても、都度、剪定で調節すれば大丈夫です。

敷地ギリギリに植えると、枝が茂ると剪定や消毒などの将来の作業ができなくなる場合があります。余裕を見て植える場所を決めましょう。

 

シマトネリコやトウカエデなどの大きく育つ木は、植え付け10年程度で電線に枝がかかるくらい大きくなります。

 

シマトネリコやトウカエデなどの大きく育つ木は根も広く張ります。排水パイプや水道管などの地下埋設物の近隣に植えない様にしましょう。余程の手抜き工事でなければ、地下の水道管に木々の根が入り込んで壊してしまうことはありません。たまたま台風で木が根ごと倒されたりして、水道管や排水管に絡んだ根が地下埋設物を壊してしまうことは考えられます。
わざわざ水道管の上に植えなくても良いと思います。どうしてもその場所に大きめの緑を配置したい場合は、根域制限して植えるか、大きめの鉢植えに植えて設置してください。

 

 

似たような植物が植えてあった場所に、そのまま植えると連作障害が起きます。ツツジの植栽を抜いてサツキに変えたり、枯れたツツジの入れ替えで別の種類のツツジを植えたり。など、同じツツジ科の植物を同じ土壌に植えると生長が悪くなります。連作障害とか忌地現象と言います。これは病気などではなく、生物の本能的な現象です。

 

連作障害しやすい植物: ツツジ科の植物、アカシアなどのマメ科、ナス科、ウリ科、フトモモ科など

 

どうしてもその場所に似た様な植物を植えたい場合は、1年以上土を休ませるか、土の入れ替えなどの対策をしてください。

もしくは、連作障害を防ぐ液肥の「菌の黒汁」を使って、連作障害を緩和してください。

 

連作障害を予防する 菌の黒汁

 

 

苗木を植えてみましょう!

 

 

① 根鉢に対して2~3倍の穴を掘ります。

 

広さ深さとも30〜50cmの穴を掘ります。

解説:植え付け1〜3年分の根張りスペース分の土壌改良をするために穴を掘ります。根を埋めるために穴掘りするのではありません。土壌改良する広さ深さは可能な限り大きい方が良いですが、穴掘りも大変ですし、スペースがない場合もあるでしょう。なので、できる限りでお願いします。

 

植え穴を掘る

 

【庭の水はけが悪い場合】
・植え穴の底にココチップを10cm以上入れて排水をよくします。
・植え付け場所を20〜30cm盛り土し(レイズドヘッドと言います)、浅めに植え付けるようにします。解説:水は低い方に流れます。植え付けた場所に水がたまらないように植え付け場所を少し高くするわけです。

 

②  掘り上げた土に「花ひろば堆肥”極”」やピートモスを混ぜ合わせます。

 

ほとんどの場合で、庭木では土壌酸度はさほど神経質にならなくても良いです。収穫物を期待する野菜や果樹、オリーブでは土壌酸度を少し気にしましょう。

 

  1. 堆肥を使いたい植物
    堆肥”極み”やバーク堆肥は植木全般に使える土壌改良材です。堆肥“極み”は投入してすぐに植えても大丈夫です。直接根に触れても肥料やけは起きません。
  2. ピートモスを混ぜておきたい植物
    ツツジやサツキなどツツジ科の植物や、桜・ウメ・モモ・シモツケ、などのバラ科の植物、クチナシは弱酸性土を好むので、ピートモスを土壌改良に使うと良いです。
    ピートモスは乾き切ると水を弾くので、水を張ったバケツにピートモスを入れ、よく水を吸わせます。
  3. 苦土石灰を混ぜておきたい植物
    弱アルカリ性を好むオリーブやグミ、ツゲなどを植える場合は苦土石灰を土に混ぜます。苦土石灰は混ぜてすぐに苗を植えても大丈夫です。消石灰は熱が出て根やけするので、投入後2週間以上日を開けてから植えてください。

 

用土の配合の目安

  1. 砂礫質の場合は堆肥“極み”を多めに。
  2. 痩せ地でも育つ植物は堆肥“極み”は少なめに。
    痩せ地で育つのは、ヤマモモやマメ科の植物、ユーカリなど
  3. 50リットル(植え穴の土壌量)の土壌酸度のphを1上げる苦土石灰の量は
    砂礫質の場合で40〜50g
    粘土が多い場合で50〜75g
    火山灰土で100〜125g

 

 

土壌改良したら、植え穴に埋め戻します。

 

③  苗木を地植えします。

 

ようやく苗の植え付けです。

 

  1. 接木苗で接木テープが残っている場合は取り外します。
  2. ポット苗や地中ポットはポットを外して植えてください。根巻苗の場合は、麻布や麻ひもは外さずに根を崩さずそのまま植えます。麻布や麻ひもは数か月もあれば土中で分解されるため、そのまま植え付けられます。
  3. 接木苗は接木部が地上に出る様にして苗を浅めに植えます。挿木苗は接木部はありませんので、適当に浅めに植えます。
    12~2月頃に植える場合は、根が伸びやすいように根を広げるようにして植え付けます。
    3~11月頃に植える場合は根が活動しているので、根を痛めないように注意して、根をほぐさずにそっと植え付けます。
  4. 例外
    深めに植えた方が良いのは、ボタン苗、ライラックです。台木が土中に埋まるように植えてください。

 

④  水をたっぷり入れて、土と根をしっかり馴染ませます。

 

解説:水ぎめと言って、土と根をよく絡めて馴染ませるためにたっぷりたっぷりこれでもか!もっとか?っというくらい水を入れて、土をどろどろのお汁粉状にし、土と根に隙間がないようにします。植物の根に水を吸わせるために水を入れるのではありません。水ぎめは植え付け直後の1回だけでいいです。

 

例外 直根性の植物は根腐れしやすいので、水ぎめはせずに棒で土を突いて根と土の隙間を埋めてください。モクレンやコブシなどのマグノリアの仲間や梨、柿など

 

⑤  支柱をつけて固定する。

 

植え付けたばかりの苗が横風で揺れないように、支柱をたてて幹と固定します。支柱を挿す際に多少根をついてしまっても大丈夫です。幹に当て布をして幹が傷つくのを防ぎ、麻紐などで幹と支柱を固定してください。

(解説:苗が揺れることで土中で根が浮いたりして根の周囲に空洞ができると、乾燥して枯れたりします。それを防ぐために揺れないように支柱で固定します。苗が倒れないように支柱をするのではありません。ということは、苗が揺れることがない場所では支柱はなくても良いわけです。支柱と幹を結束する紐は自然と切れる麻紐などが理想で、針金が入っているビニール帯は使わない方が良いです。生長とともに幹が太るとビニール帯が幹に食い込んでとれなくなります。)

根付くまで3年くらいかかります。根づくとは「そう簡単に抜けない状態」を言います。根付いてしまえば、支柱は外しても大丈夫です。

 

 

⑥ 寄せ土をして、土踏みする。

 

水ぎめした水が引くと、土が沈むのでもう一度土を寄せ土して足して、株元を踏んで土が流出しないようにします。

 

完成!

 

品種ラベルを果樹の幹に直接巻いてあると、やがて幹が太って針金が幹に食い込み取れなくなります。品種ラベルは幹に直接巻いたままにしないようにしてください。

 

⑦ おまけ

 

植え付けお疲れ様でした。

 

植え付け作業はガーデニングの第一歩です。

ここまで読んで、作業をやり切ったあなたはとても素晴らしい方です。

 

秋冬に植えた植物は比較的乾燥に強く育ちます。水やりも雨任せで育ちます。

 

植物が成長を始めると水を欲しがります。冬は生長が止まっているので水は欲しがりません。

秋や冬に植えた木は、4月から葉が増えて光合成量が増えていくまでに、4ヶ月〜半年以上の期間があるおかげで、多少なりとも根が育ち、初夏の乾燥に強く成長します。

 

逆に、春や植えした苗木では、こまめな水管理をお願いします。雨がよく降ったり、土が湿っている様であれば、水やりは不要ですが、雨が少ない様であれば、水やりをお願いします。

 

特に4月20日ごろから梅雨入りまでは水切れしやすくなります。

地上部が一気に育つ生長が早い植物や、イチジクなどの葉が大きい植物、シャクナゲやツツジのように春の花が多くついている苗木ほど水切れします。葉が増え、花が咲いて、光合成量が増えますが、植えて1年目はまだ根が張っていません。地上部がどんどん大きくなって水を欲しがりますが、欲しがる水分を供給するに見合う根量に育っていないので、水を与えていても水切れすることがあります。
水切れするようなら、摘花や摘果して水分消耗を減らしたり、地上部を切り戻して地上部を小さめにして水分消耗を減らしたり、根の能力に見合う地上部の大きさに調整してください。または、日陰に移動して光量を減らすことで、欲しがる水分量を減らして、水切れ予防をしてください。

 

中途半端な水やりは木に気の毒。

植物の根は水を求めて伸びます。地上部と地下の成長は比例します。水が多い方角だけ枝葉が伸びていく木はそれです。チョロチョロと少なすぎる水やりや、気まぐれな水やりは木の毒です。与える場合は毎日丁寧に与え、与えることができなければ、植物の生長に任せて水やりは控えてみましょう。地植えの植物は水を与えないで、雨に任せたほうがよく育つことが多いです。

公園や街路樹の木々は誰も水やりはしないけど育ってくれます。

 

株もとにココチップを敷き厚5cm程度敷いて、マルチングしておくのもおすすめです。雑草防止、乾燥防止にマルチングするのも有効です。

 

マルチングや鉢底石におすすめ。ココチップ

 

見た目も綺麗になります。

 

 

 

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