庭木・植木の植え方(鉢植え編)

庭木・植木の鉢植えの仕立て方

 

苗が届いたらすること

 

  • まず、箱から商品を全て出して、状態を確認してください。商品に異常があれば交換対応を行います。お届け後2日以上経過した苗の交換はお受けできません。届いた苗の土が乾いている場合は、たっぷりと水を与えてください。乾いていなければ水やりは不要です。(解説:水やりは基本的に土が乾いてから行います。)
  • すぐに植え付けしても大丈夫ですし、すぐに植えることができなくても大丈夫。水管理さえすれば半年でもポットのままで大丈夫です。根巻苗は2か月くらいを目安とします。
    とはいえ、4月以降の成長期では株の成長によって、次第にポットが小さくなってしまいますと、根の成長制限になるので次第に成長が鈍化します。また、地上部が大きくなるにつれ、土の量が少ないので土が早く乾くようになり、水やりの頻度も増やしていく必要があります。また、鉢が小さいと熱伝導性が良いので夏は土が高温になりやすいです。なので、植え付け時期がすぎていた場合は、秋の植え付け時期まで待たずに早めに植え替えた方が株の成長には良いです。
  • 庭木・植木の植え方。詳しく書きすぎたので、サクッと植えたい人には読むのはおすすめしません。
冬の落葉樹!枯れてる?枯れてない?
樹皮を爪や刃物で少し削ってめくってみて、樹皮の内側の形成層が緑色をしていれば、その部分より下は苗木は枯れておりません。

用意するもの

 

  1. 植木鉢
    苗の大きさと鉢の大きさが見合った大きさの鉢をご利用ください。大きく生長させたい植木には十分な深さのある鉢を使ってください。
    5号ポット苗の苗木であれば6〜8号鉢。
    8号ポット苗であれば、10号鉢。
    10号鉢であれば、12号鉢などです。
    1号は3cmなので、5号は直径15cm、10号は直径30cmです。
    根巻き苗であれば、根鉢が植木鉢に入り、地上部と見た目のバランスが良い鉢を使ってください。
    小さく楽しむ盆栽などではこの限りではありません。
    苗に見合わない様な大きすぎる鉢植えに植えると根腐れしやすくなります。最初から大きすぎる鉢に植える場合は、水やりの頻度を減らして育てましょう。
    植木鉢のよって、メリットやデメリットがあります。私の失敗例としましては、鉢の上部がすぼまっているいわゆる壺の様な形の鉢に植えたことです。しかもグラスファイバーのとても丈夫で高価な鉢に直植えしました。
    数年後に植え替えしたいとき、上がすぼまっているので植え替え時に苗が抜けなくなりました。鉢も丈夫すぎて割れません。サンダーの様な回転式のノコギリで鉢を切り割りして木を抜きました。
    教訓:壺状の鉢には直接植えずに、鉢カバーとして使うべし!
  2. 用土
    水はけの良い培養土 花ひろば培養土”和み” など。
    弱酸性土壌を好むサツキなどのツツジ科の植物などにはブルーベリーの土を使います。
    常緑性の木には「みかんの土」でも良いです。落葉樹では「果樹の土」でも良いです。
    オリーブの植え付けでは「オリーブの土」で植えるのが良いです。
    上記の専用培養土は1袋に14リットル入っています。10号鉢(直径30cm)の植木鉢にちょうど1袋(14リットル)使えます。それより小さい鉢では少し余ります。12号鉢などでは14リットルでは不足します。培養土は開封後の消費期限はありません。植え付け後、半年くらいで鉢土が減りますので、余った用土は後日補充用に取っておきましょう。
  3. 苗木
  4. 支柱
    風が吹く場所に植えるならあったほうが良いです。

 

庭木や植木の植え付け時期

 

地植えは秋植えが最適ですが、鉢植えへの植え替えは年中できます。
寒冷地ではポット苗や根巻き苗のまま管理すると、土が冷えやすいので、弱りやすいです。大きめの鉢に植えかえた方が土が冷えにくいです。その上で、土が凍結しない場所や北風が当たらないような寒くない場所で管理してください。

 

夏に入手して秋まで植えるのを待つくらいなら、植え替えをしてしまった方が水管理が楽なので、植えてしまいしょう。ポット苗や根巻き苗の限られた土量では乾きも早いですし、生長も抑制されています。新しい用土で一回り大きめの鉢に植え替えした方が水切れしにくいですし、生長もしやすいです。

 

 

苗木を植えてみましょう!

① 鉢底にココチップ鉢底石を5cmくらい入れます。

 

スリット鉢ガーデンバックなど排水性が良い植木鉢を使用する場合は鉢底石は不要です。

(解説:排水穴が多いスリット鉢などや、排水性が良いガーデンバッグなどでは排水性をよくするための鉢底石は不要なのです。鉢底石を入れても構いませんが、さらに乾きやすくなります。根腐れ常習栽培者や過湿大嫌い植物には鉢底石を入れましょう。)鉢底石やゴロ石は軽いものを選びます。軽いものだと鉢が軽くて楽です。

② 苗を鉢に植え付けます。

 

  1. 接木テープが残っている場合は取り外します。
  2. ポット苗や地中ポットはポットを外して植えてください。根巻苗の場合は、麻布や麻ひもは外さずに根を崩さずそのまま植えます。麻布や麻ひもは数か月もあれば土中で分解されるため、そのまま植え付けられます。
  3. 水が土に沁み込みやすいよう1分目はウォータースペースとして余裕を残し、水はけの良い培養土を鉢の9分目くらいまで入れます。
  4. 12~2月頃は根を広げるようにして、浅めに植え付けます。
    3~11月頃は根をほぐさずに、太い根を痛めないように注意して、そっと植え付けます。
    例外: 深めに植えた方が良いのは、ボタン苗、ライラックです。台木が土中に埋まるように植えてください。
    ツツジやサツキなどの髭根の木は根を叩いて土を落として植えます。4〜10月の生育期は太い根は痛めないように特に注意してください。休眠期の冬は少々髭根を切って整理しても大丈夫です。水を張ったバケツの中で根ほぐしますが、固まって解れない場合は無理せずに、解れない場合はそのまま植えてください。

      植え付け時に根を痛めないように注意してください。桜や花桃、ウメなどでは苗木をポットから抜く際に土が崩れることがありますが、自然と土が落ちるのは問題ありません。仮植えポットの土はそのまま植え付ける用土に混ぜてお使いください。

      解説:休眠期に細根を切ることによって新しい根が伸びやすくなりますので、ポットへの仮植時に根の整理をしております。そのような苗はポットの中で根が張っていません。なしや柿などの直根性の苗木はゴボウ根で細根はほとんどありません。
      髭根が多いツツジやサツキは土を落として植えます。

       

      根に直射日光が長時間当たらないように注意してください。

       

      根が乾かないように注意してください。

             

            ③ 水をたっぷり土に入れて、土と根をしっかりなじませます。

             

            解説:水ぎめと言って、土と根をよく絡めて馴染ませるためにたっぷりたっぷりこれでもか!もっとか?っというくらい水を入れて土と根に隙間がないようにします。植物の根に水を吸わせるために水を入れるのではありません。水ぎめは植え付け直後の1回だけでいいです。

             

            注意:直根性の柿、なし、モクレン、コブシなどは細根が少なく根腐れしやすいので、水ぎめはせずに、棒で土を突いて土中の隙間がないようにして根を落ち着かせます。

             

            ④ 支柱をつけて固定する。

             

            植え付けたばかりの苗が横風で揺れないように、支柱をたてて幹と固定します。支柱を挿す際に多少根をついてしまっても大丈夫です。幹に当て布をして幹が傷つくのを防ぎ、麻紐などで幹と支柱を固定してください。

             

             

            (解説:苗が揺れることで土中で根が浮いたりして根の周囲に空洞ができると、乾燥して枯れたりします。それを防ぐために揺れないように支柱で固定します。苗が倒れないように支柱をするのではありません。ということは、苗が揺れることがない場所では支柱はなくても良いわけです。支柱と幹を結束する紐は自然と切れる麻紐などが理想で、針金が入っているビニール帯は使わない方が良いです。生長とともに幹が太るとビニール帯が幹に食い込んでとれなくなります。)

            根付くまで3年くらいかかります。根づくとは「そう簡単に抜けない状態」を言います。根付いてしまえば、支柱は外しても大丈夫です。

             

             

            ⑤ おまけ 植え付け後の水管理。

             

            植え付けお疲れ様でした。

             

            植え付け作業はガーデニングの第一歩です。

            ここまで読んで、作業をやり切ったあなたはとても素晴らしい方です。

             

            秋冬に植えた植物は比較的乾燥に強く育ちます。水やりも雨任せで育ちます。

            休眠期の冬は土が乾くのが遅いです。冬は生長が止まっているので水は欲しがりません。

            秋や冬に植えた木は、4月から葉が増えて光合成量が増えていくまでに、4ヶ月〜半年以上の期間があるおかげで、多少なりとも根が育ち、初夏の乾燥に強く成長します。

             

            植物が成長を始めると水を欲しがります。

            逆に、春や植えした苗木では、こまめな水管理をお願いします。雨がよく降ったり、土が湿っている様であれば、水やりは不要ですが、土が乾く様であれば、水やりをお願いします。

            生長期の3〜11月は土が乾くのも早いです。枝葉や花や蕾が多いほど水を多く欲しがります。
            基本的に、水やりは土が乾いてからたっぷりと与える様にしてください。

             

            特に4月20日ごろから梅雨入りまでは水切れしやすくなります。

            地上部が一気に育つ生長が早い植物や、イチジクなどの葉が大きい植物、シャクナゲやツツジのように春の花が多くついている苗木ほど水切れします。葉が増え、花が咲いて、光合成量が増えますが、植えて1年目はまだ根が張っていません。地上部がどんどん大きくなって水を欲しがりますが、欲しがる水分を供給するに見合う根量に育っていないので、水を与えていても水切れすることがあります。

            水切れするようなら、摘花や摘果して水分消耗を減らしたり、地上部を切り戻して地上部を小さめにして水分消耗を減らしたり、根の能力に見合う地上部の大きさに調整してください。または、日陰に移動して光量を減らすことで、欲しがる水分量を減らして、水切れ予防をしてください。

             

            中途半端な水やりは木に気の毒。

            植物の根は水を求めて伸びます。地上部と地下の成長は比例します。水が多い方角だけ枝葉が伸びていきます。チョロチョロと少なすぎる水やりや、気まぐれな水やりは木の毒です。与える場合は毎日丁寧に与えてください。

             

            こちらのコガネムシの幼虫予防カバー で成虫の産卵を予防するのもおすすめです。

            雑草防止、乾燥防止にもなります。水やりはカバーの上からかけていただければ沁み込んでいきます。泥はね予防にもなり、泥はねによる病気の原因を抑えることも期待できます。

             

            見た目も綺麗になります。

             

             

             

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