
ブルーベリーの
鉢植えの仕立て方
苗が届いたらすること
- ・まず、箱から商品を全て出して、状態を確認してください。商品に異常があれば交換対応を行います。お届け後2日以上経過した苗の交換はお受けできません。届いた苗の土が乾いている場合は、たっぷりと水を与えてください。乾いていなければ水やりは不要です。(解説:水やりは基本的に土が乾いてから行います。)
- ・すぐに植え付けしても大丈夫ですし、すぐに植えることができなくても大丈夫。水管理さえすれば半年でもポットのままで大丈夫です。根巻苗は2か月くらいを目安とします。
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冬の落葉樹!枯れてる?枯れてない? 樹皮を爪や刃物で少し削ってめくってみて、樹皮の内側の形成層が緑色をしていれば、その部分より下は苗木は枯れておりません。 |
用意するもの
- ブルーベリーの土などの専用土
ブルーベリーの土は弱酸性になるように配合されています。何も混ぜずに使用できます。
(自分で土を配合して用土を作る方もいます。ピートモスと鹿沼土を混ぜて土づくりしたり、養液栽培などではオアシスを砕いたものだけで育てる方もいます。ピートモスだけで植える方もいます。ウッドチップの廃材だけで植えるという方もいました。)
ブルーベリーは酸性土壌を好みます。日本の土壌は酸性寄りではありますが、ラビットアイ系はph4.3~5.3、ハイブッシュ系はph4.3~4.8の酸性土壌を好みます。保水性を向上させて、土壌酸度を弱酸性にするための土壌改良に役立つのがピートモスです。ピートモスは乾燥すると水をはじく性質があるため、使う前に半日ほど水に浸してしっかり水を吸わせてから使ってください。 - 植木鉢
苗のサイズで用いる鉢の大きさが変わります。
2年生挿木苗なら6〜8号(直径18〜24cm)鉢。
2年生接木苗なら10号鉢(直径30cm)。
3年生挿木苗なら10号鉢(直径30cm)。
3年生接木苗なら10〜13号鉢(直径24cm)。 - 苗木
ラビットアイ系のブルーベリーは一本では結実しません。
ハイブッシュ系も2種類以上あると味や実付きが良くなります。ブルーベリーは同系統で異なる品種を近くで育ててください。 - 肥料(元肥)
「ブルーベリーが美味しくなる肥料」 または 「ブルーベリーを丈夫に育てたい」 またはその両方。植え付け時は肥料は与えても、与えなくても良いです。あとでいつでも与えることができます。 - 支柱
風が吹く場所に置くならあったほうが良い。 - 鉢底石やココチップ
排水穴が多いスリット鉢などや、排水性が良いガーデンバッグなどでは排水性をよくするための鉢底石は不要です。鉢底石を入れても構いませんが、さらに乾きやすくなります。根腐れ常習栽培者や過湿大嫌い植物には鉢底石を入れましょう。)鉢底石やゴロ石は軽いものを選びます。軽いものだと鉢が軽くて楽です。
ブルーベリーを植えてみましょう!
ベランダ栽培やコンパクトに育てたい人向き!
① 鉢底にココチップや鉢底石を5cmくらい入れます。
スリット鉢やガーデンバックを使用する場合はココチップや鉢底石は使いません。
(解説:排水穴が多いスリット鉢などや、排水性が良いガーデンバッグなどでは排水性をよくするための鉢底石は不要なのです。鉢底石を入れても構いませんが、さらに乾きやすくなります。根腐れ常習栽培者や過湿大嫌い植物には鉢底石を入れましょう。)鉢底石やゴロ石は軽いものを選びます。軽いものだと鉢が軽くて楽です。
② 苗を鉢に植え付けます。
鉢植えへの植え替えは年中できます。
- 接木苗で接木テープが残っている場合は取り外します。挿木苗には接木テープはありません。
- 根巻苗の場合は、麻布や麻ひもは外さずに根を崩さずそのまま植えます。麻布や麻ひもは数か月もあれば土中で分解されるため、そのまま植え付けられます。地中ポットやポット苗はポットを外して植えてください。
- 水が土に沁み込みやすいよう1分目はウォータースペースとして余裕を残し、「ブルーベリーの土」などの専用土か、「ピートモス」や「鹿沼土」を混ぜた土を使用して鉢の9分目くらいまで入れます。
- 接木苗は接木部が地上に出る様にして苗を植えます。挿木苗は接木部はありませんので、適当に浅めに植えます。
12~2月頃に植える場合は、根が伸びやすいように根を広げるようにして植え付けます。
3~11月頃に植える場合は根が活動しているので、根を痛めないように注意して、根をほぐさずにそっと植え付けます。 - 植え付けたばかりの苗が横風で揺れないように、支柱をたてて固定します。支柱を挿す際に多少根をついてしまっても大丈夫です。幹に当て布をして幹が傷つくのを防ぎ、麻紐などで幹と支柱を固定してください。
(解説:苗が揺れることで土中で根が浮いたりして根の周囲に空洞ができると、乾燥して枯れたりします。それを防ぐために揺れないように支柱で固定します。苗が倒れないように支柱をするのではありません。苗が揺れることがない場所では支柱はなくても良いです。支柱と幹を結束する紐は自然と切れる麻紐などが理想で、針金が入っているビニール帯は使わない方が良いです。生長とともに幹が太るとビニール帯が幹に食い込んでとれなくなります。)
③ 水をたっぷり土に入れて、土と根をしっかりなじませます。
解説:水ぎめと言って、土と根をよく絡めて馴染ませるためにたっぷりたっぷりこれでもか!もっとか?っというくらい水を入れて土と根に隙間がないようにします。植物の根に水を吸わせるために水を入れるのではありません。水ぎめは植え付け直後の1回だけでいいです。
④ 時期によっては肥料を与える。
秋冬に植えた場合は、3月までに鉢の表土に与えます。
3、6、9月。さぶろっキュー。に肥料を与えます。
植物の生育期(4〜10月)に肥料効果が欲しいです。逆に冬の休眠期は肥効はいらないのです。
肥料は表土の縁の方に与えます。「ブルーベリーが美味しくなる肥料」 または 「ブルーベリーを丈夫に育てたい」 であれば、鉢土の色が肥料の色にうっすらと変わる程度、満遍なくパラパラ与えて、3〜5cm程度土を被せておいてください。
⑤ おまけ ブルーベリーは水で育てる。
ブルーベリーの植え付けお疲れ様でした。
冬は根が冷えすぎないように、凍結しない場所で育ててください。
生長が止まっている冬は土が乾きにくいです。冬は光合成による蒸散も少ないので、水やりを繰り返すと根腐れすることがあります。土が冷えすぎるのもいけないので、水やりは土が完全に乾いてから、たっぷりと水やりをしてください。1週間に1回程度の水やりでも水切れしないです。
3月ごろから11月は生育期です。鉢土が乾くのも早くなります。土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。
「ブルーベリーは水で育てる」と言われます。
植え付け1年目は夏までは水切れしやすいので注意してください。サザンハイブッシュ系のミスティなど、品種によっては2年生の若木でも1年目から花がたくさん咲いてきます。新芽が出て花がたくさん咲いてくると、特に4月20日ごろから梅雨入りまでは水切れしやすくなります。
葉が増え、花が咲いて、光合成量が増えますが、植えて1年目はまだ根が張っていません。地上部がどんどん大きくなって水を欲しがりますが、欲しがる水分を供給するに見合う根量に育っていないので、水を与えていても水切れすることがあります。水切れするようなら、摘花や摘果して水分消耗を減らしたり、地上部を切り戻して地上部を小さめにして水分消耗を減らしたり、根の能力に見合う地上部の大きさに調整してください。または、日陰に移動して光量を減らすことで、欲しがる水分量を減らして、水切れ予防をしてください。
雑草防止、乾燥防止にマルチングするのも有効です。水やりはカバーの上からかけていただければ沁み込んでいきます。泥はね予防にもなり、泥はねによる病気の原因を抑えることも期待できます。
こちらのコガネムシの幼虫予防カバー で成虫の産卵を予防しつつ、乾燥予防もおすすめです。
果樹栽培の入門種、ブルーベリー。
植え付け1年目から花が咲いて、実がつきやすいので、初心者さんにもお勧めしています。
花も果実も楽しめて、秋は紅葉が美しい。季節の移ろいのたびに、表情を変えていきます。
鉢植えでも楽しめるブルーベリー。
育て始めると、楽しい物語が始まります。