● 柿 ベルベット アップルの品種の特徴

「ベルベット・アップル」はフィリピン原産のカキノキ科カキノキ属の熱帯果樹です。「マボロ(Mabolo)」の名前でも知られ、日本では果実の表面を細かな毛が覆うことから「毛柿(ケガキ)」と呼ばれています。日本の柿と同じDiospyros属ですが、その果実を初めて見ると、一般的な柿とはかなり違った印象を受けます。最大の特徴は、名前の通り果皮を覆う細かな毛。果実は丸形~やや扁平な形をしており、成熟すると赤褐色~赤橙色になります。その表面には短く細かな毛が密生し、触れるとまるでベルベットの布地のような独特の質感があります。この姿から英語では「Velvet Apple」と呼ばれています。

果実を切ると、中には白色~クリーム色の果肉が現れます。完熟した果肉は柔らかく、クリーミーで、甘味のある独特な食感を持ちます。一方で、ベルベット・アップルを非常に個性的な果物にしているのが「香り」です。完熟した果実はかなり強い独特の芳香を放ちます。チーズのような香りなどと表現されることもあり、人によって好みが大きく分かれる果物です。しかし、果皮を取り除くことで強い香りが軽減され、果肉そのものの甘味を楽しみやすくなります。果肉はそのまま生食されるほか、地域によっては他の果物と組み合わせたり、飲み物などに利用されたりします。「見た目は柿、表面はベルベット、果肉は白くクリーミー、そして香りは強烈」という、一度見たら忘れにくい個性を持った熱帯果樹です。

ベルベット・アップルは果実だけでなく、樹木としても美しい植物です。葉は大きな楕円形で厚みがあり、表面は濃い緑色。葉裏には細かな毛が見られ、若い枝などにも毛が目立ちます。成長すると10mを超えることもある常緑高木となり、原産地では果樹としてだけでなく庭木としても利用されます。

また、本種はカキノキ属らしく、基本的に雌雄異株です。雄花を付ける株と雌花を付ける株が分かれるため、実生苗から果実の収穫を目的とする場合には複数株を育てることが重要です。栽培では暖かく湿潤な熱帯~亜熱帯の環境を好みます。生育期には十分な水分を与えますが、鉢植えでは根が常に水に浸かった状態にならないよう、水はけの良い用土を使用します。日照にもよく適応し、株が充実してからは十分な光を与えることで力強く成長します。幼苗のうちは強烈な直射日光へ突然出すのではなく、明るい半日陰などから徐々に日光へ慣らすとよいでしょう。熱帯性のDiospyrosですので、日本の一般的な柿と同じ感覚で耐寒性を考えないことも重要です。日本では鉢植えで管理し、特に幼苗のうちは霜や凍結を避けます。冬季は温室や明るい室内などで保護するのがおすすめです。

日本の柿と同じDiospyros属でありながら、その姿は驚くほど個性的。赤褐色の果実を覆うビロードのような毛。中から現れる白く柔らかな果肉。そして、好き嫌いまで含めて記憶に残る強い香り。日本で見慣れた「柿」という果物が、熱帯地域ではここまで違った姿へ進化していることを実感できる植物でもあります。
世界のカキノキ属を集めている方はもちろん、実際に収穫して「毛の生えた柿」がどんな味なのか確かめてみたい方にもおすすめしたい、フィリピンを代表する非常にユニークな熱帯果樹です。

【柿の特徴】
熟した果実は食用とされ、葉は茶の代わりとして加工され飲まれることがあります。果実はタンニンを多く含み、柿渋は防腐剤として用いられ、現在では世界中の温暖な地域(渋柿は寒冷地)で果樹として栽培されています。

柿に関することわざは多いです。
・柿は枝ごと折れ (なり枝には来年果実がならない)
・柿が赤くなると医者が青くなる
・1日1個柿を食べると風邪ひかない
・二日酔いに柿
・桃栗三年柿八年
・柿は「かきあつめる」で縁起が良い。

学名
Diospyros blancoi カキノキ科 カキノキ属
別名
毛柿、マボロ、カマゴン
開花時期
5月下旬
花色・大きさ・花形
黄白色
果実の用途
生食
結果年数
6年
自家結実性
一本でならない(雌雄異株)
最終樹高
鉢植え:1m ~ 2m (常緑高木)
栽培用途
鉢植え、温室、観賞用、コレクションなど
植栽適地
日本全国(原則、鉢植え栽培)
育てやすさ
★★☆☆☆ やや難しい
日照条件:日なた、耐陰性普通、
耐寒性弱い(10度)、耐暑性強い、耐乾性強い
耐病害虫性
耐病性:普通 害虫:普通
花言葉
恵、優美、自然美

ベルベット・アップル(毛柿)|実生苗の育て方


植え方・用土

基本的に移植や植え付けは11月~入梅までに行います。東北以北では春植えをおすすめします。9~11月と3月以降の暖かい葉がある時期に植え付けする場合は根を崩さないように植えてください。
肥沃で通気性がよく、やや湿り気味の土がいいです。堆肥や完熟の腐葉土をすきこんだ土に浅めに植え付けします。 鉢植えでも大丈夫です。半日陰でも育ちますが、花付が悪くなります。


水やり

柿は干ばつが続くと、うなだれたように一様に葉を下に向け、果実の大きさに悪影響を与えるので、注意してください。また、根が深く張るわりに乾燥に弱いので、夏場の乾燥には注意が必要です。7月から8月の乾燥時には少なくとも1週間に一度を目安に水やりをお願いします。


肥料のやり方

12月ごろに有機質肥料を与えます。柿のために配合された柿がおいしくなる肥料を推奨します。


花芽の付き方

花芽は夏につけ、翌春に開花し結実します。


剪定方法

柿は放任すると高木になります。樹高が高くなると収穫時に脚立が必要になるなど不便なので、枝を広げて低めに仕立てると良いです。植え付け時に短く切るのもそのためです。
下の写真のように枝を広げる仕立て方が収穫が多くなります。

最初はなるべく剪定を控え、日当たりの悪い不要枝だけ間引く程度にして、残す枝は先端を切り戻す程度にします。2年目以降は横に伸びる枝をなるべく水平に誘引し、剪定は冬に枝先を切り戻す程度にします。3~5年後の冬に主幹を芯を止め(先端を分岐点の上で切りつめます)、主枝を3~4本にして開心自然形(主幹がなく、枝が全体に横に伸びる樹形)にします。

大きく育ってからの剪定は、果実のついた枝には翌年果実がつかないので、収穫時に剪定もかねて枝ごと切ってあげてください。花芽は夏につけ、翌春に開花し結実しますので、夏以降の剪定は花芽のついていない枝を見極めて剪定します。12月に行うのが最適。花芽を見極める自信がない場合は花後に剪定してください。樹勢が強く、枝が立ちやすいので、樹冠内部の日当たりが悪くなりやすいです。剪定は樹冠内部にも日が入るためにします。夏に新梢を付け根から落とし、間引く剪定をします。


その他豆知識

【柿の摘蕾・摘果】
最終的に1枝に1~2個残るくらいで摘果をしていきます。多めに残しても生理落果して、結局1枝に1個だけに残りやすいです。
5月の開花前に多すぎる蕾は近すぎる蕾を減らすように摘蕾します。
開花後に果実に花カスが果実に残っているのは丁寧に取り除きます。6月に果実に傷がなく、ヘタが4枚形が良く揃っていて、枝の元から2~3番目の横向きか下向きの果実を新枝に1個残して、他は摘果します。大実品種は葉30枚に1個、小さい品種で20枚に1個になるように摘果します。
上手な柿の作り方は、7月初めまでに20~30cmの枝のうち、なる枝を3分の1、ならない枝を3分の2の割合になるように摘蕾・摘果・剪定を行うことです。今年なる枝を制限し葉枝をたくさん出させれば、翌年その分だけその枝に果実がなります。冬の剪定では頂部に花芽を持った複合芽がつくので、むやみに先刈りすると果実がならなくなりますが、細く短い枝や、8月に入っても伸び続け50cm以上になるなど伸びすぎた枝にも充実した花芽がつかないので、花芽と葉芽の間を中切りしてやると、その年にはならずに、翌年のなり枝となり、葉数も多くなるので、果実も大きくなります。


病害虫の予防法

主な病気は炭そ病や落葉病です。生育期は落葉した葉は放置せずに処分します。害虫はカキノヘタムシガが発生します。6月と7月下旬にスミチオン乳剤を散布します。このように、樹皮を削り落として幹肌の荒れた部分をなくしておくと病害虫の産卵場所がないので害虫も減ります。

幹肌を削るのは面倒ですが、最近では高圧洗浄機で吹き付けて幹肌を綺麗に削ったりするようです。このように、幹肌が真っ白になります。




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