



● カカオ マウンテン カカオの品種の特徴
「マウンテン・カカオは」南米北部に分布するアオイ科Herrania属の熱帯果樹です。一般的なカカオ(Theobroma cacao)とは別属ですが、Herrania属とTheobroma属は非常に近縁なグループ。花や果実の付き方などにもカカオとの共通点が見られ、「カカオの親戚」として非常に興味深い植物です。Herrania mariaeは、コロンビアやベネズエラなど南米北部に分布し、主に湿潤な熱帯林に生育します。一般的なカカオと比べると栽培・流通する機会は圧倒的に少なく、日本ではまず見かけることのない希少な種類です。
本種を特徴付けているのが、その独特な葉です。葉は大きな掌状複葉となり、細長い小葉が指のように放射状に広がります。カカオが大きな一枚葉を付けるのに対し、Herraniaはまるで手のひらを広げたような複葉を持つため、果実が付いていない状態でも両者の印象は大きく異なります。細長い小葉を大きく広げる姿には熱帯雨林植物らしい雰囲気があり、葉を観賞するだけでも面白い植物です。樹形も一般的なカカオとは少し異なります。比較的細身の幹を伸ばし、その先に大きな掌状複葉を広げるため、成長すると非常にエキゾチックな姿になります。
そしてカカオとの共通点がよく分かるのが、花と果実です。本種もカカオと同じように幹生花・幹生果の性質を持ち、幹や古い枝から直接花を咲かせ、その場所に果実を形成します。果実は一般的なカカオのポッドよりも細長く、縦方向にはっきりとした稜を持つ独特な形状をしています。幹から細長い果実が直接ぶら下がる姿は非常に個性的で、「カカオに近い植物」であることを実感できる最大の見どころの一つです。
果実の内部には、カカオと同じように種子とそれを取り囲む果肉があります。Herrania属の果実は食用として利用されるものがあり、種子を包む果肉を食べることができます。カカオというと種子から作るチョコレートをイメージしますが、TheobromaやHerraniaの仲間では、種子の周囲にある果肉そのものも魅力の一つです。そのためマウンテン・カカオは、単なる珍しい観葉植物ではなく、いつか自分で果実を収穫して味わってみるという楽しみを持った熱帯果樹でもあります。
栽培では、熱帯雨林の林床~下層に生育する植物らしく、暖かく湿度の高い環境を好みます。強烈な直射日光を一日中当てるよりも、明るい半日陰や遮光された環境が適しています。特に幼苗では葉焼けを起こさないよう注意し、柔らかな光の下で育てるのがおすすめです。生育期には水切れを避け、用土が乾きすぎないよう十分に水を与えます。一方、鉢の中で水が長期間停滞すると根を傷める原因になるため、有機質を含み、適度な保水性と排水性を両立した用土が適しています。高温多湿な環境を好む一方で、寒さには弱い植物です。日本では基本的に鉢植えで管理し、冬季は温室などの暖かい環境で越冬させるのがおすすめです。特に幼苗では低温や冷たい風に注意してください。
普段私たちが目にするTheobroma cacaoとは異なる、もう一つの「カカオの世界」。掌状に広がる独特な葉。幹から直接咲く花。そして、その場所からぶら下がる細長いカカオのような果実。
チョコレートの原料として知られるカカオだけでなく、その近縁植物まで育てて比較してみたい方には特におすすめしたい、非常に珍しくコレクション性の高い南米の熱帯果樹です。
「カカオ」は言わずと知れたチョコレートやココアの原材料となる果実です。太い枝の幹から直接花がつき、とっても不思議な雰囲気です。咲いた花に実がつくのは全体の1%程度だとか・・・。自然界は厳しいですね。実がついている様子はさらに不思議。木から小型のラグビーボールがぶら下がっているような見た目です。品種によって黄色やオレンジ、赤など果皮の色が異なります。フレッシュな果肉は生食することが可能で、とても甘いライチのような味がするそうです。
「カカオベルト」と呼ばれる、赤道をはさんで南北20度以内の高温多湿の地域でもっぱら栽培されています。そのため、寒さにはめっぽう弱く、鉢植え加温栽培必須の玄人向けの果樹です。のわりには、直射日光に弱いため管理は基本半日陰で。現地では日よけとしてバナナやカカオの母と呼ばれる「トリニダードのエリスリナス」を植えているんだとか。
| 学名 |
| Herrania mariae アオイ科 ヘラニア属 |
| 別名 |
| ヘラニア・マリアエ |
| 花色・大きさ・花形 |
| 赤 |
| 果実の大きさ |
| 豊産性あり |
| 結果年数 |
| 4~5年 |
| 自家結実性 |
| 1本でなりにくい。(自家結実性弱い)(虫媒花。蟻や蚊が受粉させます。花は夕方開花して翌朝満開になります。人工授粉はピンセットを用いて、息を止めながら地道に花粉を移動させる技術が必要です。 ) |
| 最終樹高 |
| 鉢植え:1m ~ 2m (常緑中高木) |
| 最終葉張り |
| 直立性 |
| 栽培用途 |
| 鉢植え、温室など |
| 植栽適地 |
| 日本全国(原則、鉢植え栽培) |
| 育てやすさ |
|
★☆☆☆☆ 難しい 日照条件:日なた~半日陰、 豊産性あり、耐寒性弱い(15度)、耐暑性普通 |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:普通 害虫:普通につく |
マウンテンカカオ (ヘラニア・マリアエ)|実生苗の育て方
植え方・用土
明るい半日陰が理想です。湿り気のある用土を好むため、赤玉6:堆肥4ぐらいで調整します。寒さにはめっぽう弱いため、鉢植え栽培で冷涼な季節は室内で暖かくして管理します。温室等で温度・湿度のコントロールが可能な場合は地植えでも大丈夫です。
強風で倒れやすいため、風よけや支柱を立てるなどして対策をします。
水やり
高温多湿を好むため水切れに注意します。土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
肥料のやり方
木の育ちを良くするため、初夏と秋に野菜用の肥料を与えます。
剪定方法
木がある程度大きくなるまでは込み合っている枝を落とす程度で大丈夫です。収穫年数に近づいたら下を向いている枝、平行枝の弱いほうの枝、花がつかない枝(葉がまんべんなくついている枝)は、切り口が下向きになるように根元のほうで取り除きます。
病害虫の予防法
幼苗のうちはヨトウムシに注意します。



