● バンレイシ ビリバ スピニータイプの品種の特徴
「ビリバ」は、果皮はクリーム色で亀甲状の突起があり、実の大きさは15~20 cmで大きいもので1 kgにもなる大実のバンレイシの仲間です。果実は1月~4月に結実し、生食や冷凍してシャーベットなどで食べられています。レモンヨーグルトのような爽やかな酸味と蜂蜜のような上品な甘さがあり、熱帯アメリカのバンレイシの中では最も美味とされ、「伯爵夫人の果物」と呼ばれています。果肉は非常に滑らかで、スプーンですくって食べるとまるでプリンを食べているようです。味はレモンを思わせる爽やかな酸味と、カスタードクリームのような濃厚な甘味を併せ持ち、生食のほかジュースやアイスクリーム、スムージーなどにも利用されています。
とても美味しいのですがアテモヤとは異なり、果皮が薄く傷みやすいため、ほぼ現地で消費されています。
成長が早く、温暖な環境では実生から比較的短期間で結実が期待できます。国内ではまだ流通量が少なく、珍しい熱帯果樹を育てたい方にも人気の高い品種です。
イラマ、チェリモヤ等を含むバンレイシ科のフルーツは、日本ではポポーが知られる程度ですが、世界中に様々な品種があり人気となっています。
インドやタイでは、シャカトウやシュガーアップルと呼ばれる甘いフルーツが人気で屋台やスーパーで多く販売されていますし、グアテマラではイラマやオックスハートというバンレイシ科のフルーツが人気です。果皮の色が数十色にもなるバリエーションがあります。さらに、アンデスでは、世界三大美果とされるチェリモヤが人気で、生産されています。
南米ブラジルは極めてバンレイシ科の種数が多く100m歩くと50-100種ものバンレイシ科のフルーツが見つかるとも言われています。その中には毛のはえたランブータンのような見た目のスプラグエイという種や、まるで岩のような見た目なのに、極めて甘くクリームのような食感のマロロなど非常にユニークなものが多いです。
スピニータイプ:主に中米から南米北部にかけて盛んに栽培される系統です。名前の通り果皮の表面に柔らかな突起が並び、見た目にも個性的。黄色く熟した姿はひと目でビリバと分かる印象的な外観です。
よくある質問
Q: スピニータイプとラウンドタイプ、どっちがおいしいの?
A: 味についてはどちらも大きな違いはなく、共通してレモンヨーグルトのような爽やかな甘みと酸味があります。あえて違いを挙げるなら、ラウンドタイプの方がやや粘質があり、よりとろけるような食感を感じることがあります。
同じビリバでも産地によって果実の表情が異なるのはとても興味深く、南米の広い自然の中で多様性を育んできた果樹らしい魅力があります。見た目の違いを楽しみながら食べ比べてみるのも、ビリバならではの楽しみ方です。
| 学名 |
| Annona mucosa バンレイシ科 ロリニア属 |
| 別名 |
| ビリバ、ロールイニア、Rollinia deliciosa(旧学名) |
| 開花時期 |
| 7~ 8月 |
| 花色・大きさ・花形 |
| 薄黄・(2cm位)・そら豆みたいな形 |
| 香りの強さ |
| 中香 甘くフルーティーな香り |
| 収穫時期 |
| 1月~4月 |
| 果実の大きさ |
| 15~20 cm、1 kg 豊産性あり |
| 甘さ |
| 平均糖度:20度 |
| 果実の用途 |
| 生食、加工用(お菓子、ジュースなど) |
| 結果年数 |
| 2~5年 |
| 自家結実性 |
| 1本でなる(自家結実性はありますが、人工授粉を行うと結実率が大きく向上します。) |
| 最終樹高 |
| 鉢植え:m ~ 2m (落葉中高木) |
| 最終葉張り |
| 直立性でよく分枝し、丸みのある樹形になります。 |
| 栽培用途 |
| 鉢植え、温室、コレクション、観葉植物 |
| 成長の早さ |
| 早い |
| 植栽適地 |
| 日本全国(原則、鉢植え栽培) |
| 育てやすさ |
|
★★☆☆☆ やや難しい 日照条件:日なた、 豊産性あり、耐寒性弱い(10度)、耐暑性強い |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:ほとんどつかない 害虫:ほとんどつかない |
| 花言葉 |
| 契り |
熱帯果樹の種 【アンノナ ビリバ】の育て方
植え方・用土
植え替えは9月から11月ごろ、または3月から5月ごろに行ってください。適期は3月ごろです。水はけの良い肥沃な用土を好みます。どちらかというと弱酸性土壌を好みます。配合は、赤玉土7、腐葉土3の割合。市販の園芸用培養土でも問題ありません。当店の花ひろば培養土(鉢植え専用用土) もおすすめです。
鉢植えでは10号鉢以上を使用すると根張りが良くなります。成長が早いため、2~3年ごとの植え替えがおすすめです。
水やり
根が浅く張るので水切れに注意が必要です。基本的には土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えてください。特に、開花期や果実の肥大期は水切れを起こさないよう注意が必要です。
肥料のやり方
3月、6月、10月に有機質肥料を若干多めに与えますおすすめは「ブルーベリーがおいしくなる肥料」です。果実がつくようになったら、カルシウムとカリウムが多く必要とされるので、冬期に苦土石灰などを土壌にすぎ混んであげてください。
花芽の付き方
その年に伸びた新梢を中心に花芽を形成します。
剪定方法
高さ50~80cmで切り詰めて、基本となる主枝を3~4本ほど出して形を整えていきます。主枝から亜主枝を30cm間隔で配置し、亜主枝を2~3節で切り戻して2本の結果枝を出させて結果させます。2本の結果枝のうち、1本だけ結果させて、もう1本は予備枝にしておきます。
収穫後の翌年春に側枝を3節残して切り戻します。前年に収穫した枝から出た新梢は予備枝にして、前年結果させなかった予備枝から出た新梢に結果させます。
これの繰り返しでコンパクトに育てることができます。徒長枝や込み合っている枝など不要な枝は間引き剪定してください。
その他豆知識
ビリバのよくある質問
Q: 人工授粉はどうやってするの?
A: チェリモヤとやり方は同じです。午後4時頃から夕方にかけて開花が始まります。1つの花に雌しべと雄しべがあり、雌しべが先に熟し、後に雄しべから花粉がでます。蕾が開きかけた雌ステージの頃に雌しべが受粉可能になっているので、既に咲いている雄ステージの花の雄しべからやわらかい筆などで花粉を採り、雌ステージの花の雌しべの柱頭につけてやります。湿度が高いほうが着果率が高いそうです。花粉は冷蔵庫で保存すれば2~3日はもちます。受粉後2週間もすれば幼果が膨らんできます。
Q: 収穫のタイミングは?
A: 果皮が黄色く色づいてきたら収穫です。収穫後4~5日室温で追熟させて食べごろです。収穫が遅れると落果します。ネットなどをかぶせて吊るしておくと、落果した果実すぐに食べることができます。
病害虫の予防法
特に気になる病害虫はありません。
育て方のまとめ
日当たりの良い、夏は涼しく冬は暖かい場所で管理してください。耐寒性はマイナス2度前後までありますが、生育適温が18~25度前後になります。最低気温が15度以上の時期は戸外で、30度を超えるような日は涼しい室内に取り込んでいただくと安心です。冬は最低温度5℃以上が保てる日当たりのよい場所で様子をみてあげてください。また、本来大木になる木なので鉢植えでの管理がおすすめです。
また、チェリモヤは受粉樹は不要ですが、雌雄異熟花なので人工授粉をしていただく必要があります。1つの花に雌しべと雄しべがあり、雌しべが先に熟し、後に雄しべから花粉がでます。蕾が開きかけた頃に雌しべが受粉可能になっているので、既に咲いている花の雄しべからやわらかい筆などで花粉を採って、雌しべの柱頭につけてあげます。花粉は冷蔵庫で保存すれば2~3日はもちます。
増やし方
【種まき時期】 5~8月
【発芽適温】 25~30℃
【発芽日数】 20~40日程度
※種子の鮮度や管理環境によって前後します。
【発芽率】
新鮮な種子では80~95%程度の発芽率が期待できます。ビリバはアンノナ属の中でも比較的発芽率が高い種類ですが、種子は乾燥に弱く、鮮度が落ちると発芽率が急激に低下します。
【種まきの方法】
種まき用土は、赤玉土小粒4:バーミキュライト3:軽石小粒3程度に配合した清潔で排水性・通気性に優れた用土、または市販の種まき用培養土を使用します。
種子は25~30℃程度のぬるま湯に24時間浸して十分に吸水させてから播種します。1~2cm程度覆土し、播種後はたっぷりと灌水してください。
種まき後は直射日光を避けた明るい日陰で25~30℃を維持します。屋外では雨の当たらない暖かい軒下、室内では育苗器や植物育成ライト下、レースカーテン越しの明るい窓辺など温度を保ちやすい場所で管理してください。発芽までは用土を乾燥させないよう注意し、発芽後は徐々に日光へ慣らして丈夫な苗に育てます。
【種子の保存方法】
密閉容器に乾燥剤とともに入れ、高温多湿を避けた10~15℃程度の冷暗所で保管してください。アンノナ属の種子は長期保存に向かず、発芽率を維持するためには購入後3~6か月以内に播種することをおすすめします。
果樹・花木(硬質な種子)の播き方
(1) 清潔で水はけのよい用土を用意します。
例:小粒の赤玉土や鹿沼土など、水はけのよい土を使用します。
(2) 種子の殻が硬い場合は、吸水しやすくするために表面に軽く傷をつけます。
ただし、深く削りすぎたり発根部分を傷つけたりすると発芽しない場合があるため注意してください。
(3) 種子を水、または殺菌剤を薄めた水に一晩浸します。
(4) 準備した用土に種子を置くようにまき、軽く土をかぶせます。
(5) 発芽するまで用土が乾かないように管理します。
ただし、過度な湿度はカビや腐敗の原因となるため注意してください。
(6) 発芽後、苗が育ってきたら一株ずつ鉢上げします。
その際、根を傷つけないよう丁寧に扱います。
※ 発芽までの期間は種によって異なります。種類によっては、温度や湿度などの条件が整ったときに発芽する場合があります。
※多くの硬い種子の果樹、花木についての発芽方法となります。



