
● バンレイシ アンノナ カスタードアップルの品種の特徴
アンノナ レティクラタは、中南米原産とされるバンレイシ科バンレイシ属の半落葉性果樹です。「カスタードアップル」や「ブルズハート」の名前でも知られ、濃厚でクリーミーな果肉と、甘い香りが特徴の熱帯果樹です。
樹は比較的生育旺盛で、光沢のある細長い葉を茂らせます。春から初夏にかけて黄緑色の花を咲かせ、受粉後にはハート形から球形の果実を実らせます。果皮は熟すと黄褐色から赤褐色になり、網目状(レティキュレート)の模様が現れることから「レティクラタ(網目状)」の名が付けられました。
果肉は乳白色から淡いクリーム色で、とろけるようになめらかです。糖度は20~25度前後に達することもあり、カスタードクリームのような濃厚な甘さと、バニラや洋梨を思わせる芳醇な風味を楽しめます。生食はもちろん、アイスクリームやスムージー、ジュースなどにも適しています。
熱帯果樹の中では比較的育てやすく、鉢植えでも栽培可能です。十分な日照と温度を確保することで、日本でも開花・結実を楽しむことができます。
イラマ、チェリモヤ等を含むバンレイシ科のフルーツは、日本ではポポーが知られる程度ですが、世界中に様々な品種があり人気となっています。
インドやタイでは、シャカトウやシュガーアップルと呼ばれる甘いフルーツが人気で屋台やスーパーで多く販売されていますし、グアテマラではイラマやオックスハートというバンレイシ科のフルーツが人気です。果皮の色が数十色にもなるバリエーションがあります。さらに、アンデスでは、世界三大美果とされるチェリモヤが人気で、生産されています。
南米ブラジルは極めてバンレイシ科の種数が多く100m歩くと50-100種ものバンレイシ科のフルーツが見つかるとも言われています。その中には毛のはえたランブータンのような見た目のスプラグエイという種や、まるで岩のような見た目なのに、極めて甘くクリームのような食感のマロロなど非常にユニークなものが多いです。
| 学名 |
| Annona reticulata バンレイシ科 バンレイシ属 |
| 別名 |
| オックス・ハート、ギュウシンリ(牛心梨)、ブルズハート |
| 開花時期 |
| 4~6月 |
| 花色・大きさ・花形 |
| 黄緑色・小輪咲き |
| 香りの強さ |
| 中香 甘くフルーティーな香り |
| 収穫時期 |
| 9~11月頃 |
| 果実の大きさ |
| ★★★★☆ 大中果 10~15cm、300~800g 豊産性普通 |
| 果実の用途 |
| 生食、ジュース、スムージー、アイスクリーム、シャーベット、デザート |
| 自家結実性 |
| 1本でなる(自家結実性はありますが、人工授粉を行うと結実率が大きく向上します。) |
| 最終樹高 |
| 鉢植え:1m ~ 2m (半常緑低木) |
| 最終葉張り |
| 直立性でよく分枝し、丸みのある樹形になります。 |
| 栽培用途 |
| 鉢植え、温室 |
| 成長の早さ |
| やや早い |
| 植栽適地 |
| 日本全国(原則、鉢植え栽培) |
| 育てやすさ |
|
★★☆☆☆ やや難しい 日照条件:日なた、耐陰性弱い、 耐寒性弱い(10度)、耐暑性強い、耐乾性強い |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:ほとんどつかない 害虫:ほとんどつかない |
| 花言葉 |
| 甘い誘惑、豊かな実り |
熱帯果樹の種 【アンノナ カスタードアップル】の育て方
植え方・用土
植え替えは9月から11月ごろ、または3月から5月ごろに行ってください。適期は3月ごろです。水はけの良い肥沃な用土を好みます。どちらかというと弱酸性土壌を好みます。配合は、赤玉土7、腐葉土3の割合。市販の園芸用培養土でも問題ありません。当店の花ひろば培養土(鉢植え専用用土) もおすすめです。
水やり
根が浅く張るので水切れに注意が必要です。基本的には土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えてください。特に、開花期や果実の肥大期は水切れを起こさないよう注意が必要です。
冬は生育が鈍るため、水やりを控えめにします。
肥料のやり方
春の芽吹き前、開花前、収穫後に緩効性肥料を施します。生育期は月1回程度、薄めた液体肥料を与えると樹勢が安定します。
花芽の付き方
その年に伸びた新梢や前年枝の葉腋に花芽を形成します。
剪定方法
剪定の適期は2~3月頃です。高さ50~80cmで切り詰めて、基本となる主枝を3~4本ほど出して形を整えていきます。徒長枝や込み合っている枝など不要な枝は間引き剪定してください。
その他栽培や性質の注意点
完熟果は非常に傷みやすいため、やや柔らかくなった頃に収穫し、早めにお召し上がりください。種子や未熟果にはアセトゲニン類などの成分が含まれるため、種子は食べないようにしてください。
病害虫の予防法
特に気になる病害虫はありません。風通しを良くし、過湿を避けることで病害を予防できます。カイガラムシ、アブラムシ、ハダニが発生することがあるため、早期発見・早期防除を心掛けてください。
育て方のまとめ
日当たりの良い、夏は涼しく冬は暖かい場所で管理してください。耐寒性はマイナス2度前後までありますが、生育適温が18~25度前後になります。最低気温が15度以上の時期は戸外で、30度を超えるような日は涼しい室内に取り込んでいただくと安心です。冬は最低温度5℃以上が保てる日当たりのよい場所で様子をみてあげてください。また、本来大木になる木なので鉢植えでの管理がおすすめです。
また、チェリモヤは受粉樹は不要ですが、雌雄異熟花なので人工授粉をしていただく必要があります。1つの花に雌しべと雄しべがあり、雌しべが先に熟し、後に雄しべから花粉がでます。蕾が開きかけた頃に雌しべが受粉可能になっているので、既に咲いている花の雄しべからやわらかい筆などで花粉を採って、雌しべの柱頭につけてあげます。花粉は冷蔵庫で保存すれば2~3日はもちます。
果樹・花木(硬質な種子)の播き方
(1) 清潔で水はけのよい用土を用意します。
例:小粒の赤玉土や鹿沼土など、水はけのよい土を使用します。
(2) 種子の殻が硬い場合は、吸水しやすくするために表面に軽く傷をつけます。
ただし、深く削りすぎたり発根部分を傷つけたりすると発芽しない場合があるため注意してください。
(3) 種子を水、または殺菌剤を薄めた水に一晩浸します。
(4) 準備した用土に種子を置くようにまき、軽く土をかぶせます。
(5) 発芽するまで用土が乾かないように管理します。
ただし、過度な湿度はカビや腐敗の原因となるため注意してください。
(6) 発芽後、苗が育ってきたら一株ずつ鉢上げします。
その際、根を傷つけないよう丁寧に扱います。
※ 発芽までの期間は種によって異なります。種類によっては、温度や湿度などの条件が整ったときに発芽する場合があります。
※多くの硬い種子の果樹、花木についての発芽方法となります。



