
● バンレイシ アンノナ グラヴィオラの品種の特徴
アンノナ ムリカタは、中南米からカリブ海地域を原産とするバンレイシ科バンレイシ属の常緑果樹で、「サワーソップ」「トゲバンレイシ」「シャシャップ」「ササップ」「アノナ・ムリカータ」「アンノナ グラヴィオラ」など様々な名前で親しまれています。表面に柔らかいトゲが多数生えた特徴的な果実をつけることで知られ、熱帯地域では広く食用として栽培されています。
樹は生育旺盛で、美しい濃緑色の葉を一年中茂らせます。春から夏にかけて黄緑色の花を咲かせ、その後、最大30cmにもなるグリーンの巨大な果実を実らせます。果肉は真っ白で非常にジューシーで、ヨーグルトのようなまろやかな風味と爽やかな甘酸っぱさが特徴です。一方で、乳酸飲料に浸したお麩のような独特の食感と味わいを持ち、初めて食べる人は驚くこともある個性的なフルーツです。
果実は生食のほか、ジュースやスムージー、アイスクリーム、シャーベット、ゼリーなどに加工され、特に現地ではジュースとして広く親しまれています。また、葉は乾燥させて健康茶として利用されることもあります。熱帯果樹の中では比較的生育が早く、暖かい環境では実生からでも数年で開花・結実が期待できる魅力的な果樹です。
イラマ、チェリモヤ等を含むバンレイシ科のフルーツは、日本ではポポーが知られる程度ですが、世界中に様々な品種があり人気となっています。
インドやタイでは、シャカトウやシュガーアップルと呼ばれる甘いフルーツが人気で屋台やスーパーで多く販売されていますし、グアテマラではイラマやオックスハートというバンレイシ科のフルーツが人気です。果皮の色が数十色にもなるバリエーションがあります。さらに、アンデスでは、世界三大美果とされるチェリモヤが人気で、生産されています。
南米ブラジルは極めてバンレイシ科の種数が多く100m歩くと50-100種ものバンレイシ科のフルーツが見つかるとも言われています。その中には毛のはえたランブータンのような見た目のスプラグエイという種や、まるで岩のような見た目なのに、極めて甘くクリームのような食感のマロロなど非常にユニークなものが多いです。


| 学名 |
| Annona muricata バンレイシ科 バンレイシ属 |
| 別名 |
| トゲバンレイシ、サワーソップ、シャシャップ、ササップ、アノナ・ムリカータ、アンノナ グラヴィオラ |
| 開花時期 |
| 5~8月 |
| 花色・大きさ・花形 |
| 黄緑色・(3cm位) |
| 香りの強さ |
| ★★★☆☆ 中香 甘くフルーティーな香り |
| 収穫時期 |
| 9~12月頃 |
| 果実の大きさ |
| 1~5kg程度(大きいものでは7kgを超えることもあります。) 豊産性あり |
| 甘さ |
| 平均糖度:18度 |
| 果実の用途 |
| 生食、ジュース、スムージー、アイスクリーム、シャーベット、ゼリー、ジャム |
| 結果年数 |
| 3~5年 |
| 自家結実性 |
| 1本でなる(自家結実性はありますが、人工授粉を行うことで結実率が大幅に向上します。) |
| 最終樹高 |
| 鉢植え:1m ~ 2m (半常緑高木) |
| 最終葉張り |
| 直立性でよく分枝し、丸みのある樹形になります。 |
| 栽培用途 |
| 鉢植え、ハウス栽培など |
| 成長の早さ |
| 早い |
| 植栽適地 |
| 沖縄(鉢植えであれば、全国での管理が可能です。) |
| 育てやすさ |
|
★☆☆☆☆ 難しい 日照条件:日なた、耐陰性やや弱い、 豊産性あり、耐寒性弱い(10度)、耐暑性強い |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:ほとんどつかない 害虫:ほとんどつかない |
| 花言葉 |
| 豊かな実り、幸福、恵み |
トゲバンレイシ 【アンノナ グラヴィオラ (サワーソップ)】の育て方
植え方・用土
植え替えは9月から11月ごろ、または3月から5月ごろに行ってください。適期は3月ごろです。水はけの良い肥沃な用土を好みます。どちらかというと弱酸性土壌を好みます。配合は、赤玉土7、腐葉土3の割合。市販の園芸用培養土でも問題ありません。当店の花ひろば培養土(鉢植え専用用土) もおすすめです。
水やり
根が浅く張るので水切れに注意が必要です。基本的には土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えてください。特に、開花期や果実の肥大期は水切れを起こさないよう注意が必要です。
冬は生育が鈍るため、水やりを控えめにします。
肥料のやり方
春の芽吹き前、開花前、収穫後に緩効性肥料を施します。生育期は月1回程度、薄めた液体肥料を与えると樹勢が安定します。
花芽の付き方
その年に伸びた新梢や前年枝の葉腋に花芽を形成します。
剪定方法
剪定の適期は2~3月頃です。高さ50~80cmで切り詰めて、基本となる主枝を3~4本ほど出して形を整えていきます。徒長枝や込み合っている枝など不要な枝は間引き剪定してください。
その他栽培や性質の注意点
完熟果は非常に傷みやすいため、やや柔らかくなった頃に収穫し、早めにお召し上がりください。種子や未熟果にはアセトゲニン類などの成分が含まれるため、種子は食べないようにしてください。
病害虫の予防法
特に気になる病害虫はありません。風通しを良くし、過湿を避けることで病害を予防できます。カイガラムシ、アブラムシ、ハダニが発生することがあるため、早期発見・早期防除を心掛けてください。
育て方のまとめ
日当たりの良い、夏は涼しく冬は暖かい場所で管理してください。耐寒性はマイナス2度前後までありますが、生育適温が18~25度前後になります。最低気温が15度以上の時期は戸外で、30度を超えるような日は涼しい室内に取り込んでいただくと安心です。冬は最低温度5℃以上が保てる日当たりのよい場所で様子をみてあげてください。また、本来大木になる木なので鉢植えでの管理がおすすめです。
また、チェリモヤは受粉樹は不要ですが、雌雄異熟花なので人工授粉をしていただく必要があります。1つの花に雌しべと雄しべがあり、雌しべが先に熟し、後に雄しべから花粉がでます。蕾が開きかけた頃に雌しべが受粉可能になっているので、既に咲いている花の雄しべからやわらかい筆などで花粉を採って、雌しべの柱頭につけてあげます。花粉は冷蔵庫で保存すれば2~3日はもちます。
増やし方
【種まき時期】 5~8月
【発芽適温】 25~30℃
【発芽日数】 20~40日程度
※種子の鮮度や管理環境によって前後します。
【発芽率】
新鮮な種子では80~95%程度の発芽率が期待できます。アンノナ属の中でも比較的発芽しやすい種類ですが、乾燥に弱く、採種後時間が経つと急激に発芽率が低下するため、できるだけ新鮮な種子を使用してください。
【種まきの方法】
種まき用土は、赤玉土小粒4:バーミキュライト3:軽石小粒3程度に配合した清潔で排水性・通気性に優れた用土、または市販の種まき用培養土を使用します。
種子は25~30℃程度のぬるま湯に24時間浸して十分に吸水させます。1~2cm程度覆土し、播種後はたっぷりと灌水してください。
種まき後は直射日光を避けた明るい日陰で25~30℃を維持します。屋外では雨の当たらない暖かい軒下、室内では育苗器や植物育成ライト下、レースカーテン越しの窓辺など温度を保ちやすい場所で管理してください。発芽までは用土を乾燥させないよう注意し、発芽後は徐々に日光へ慣らして丈夫な苗に育てます。
【種子の保存方法】
密閉容器に乾燥剤とともに入れ、高温多湿を避けた10~15℃程度の冷暗所で保管してください。長期保存には向かないため、購入後はできるだけ3~6か月以内に播種することをおすすめします。
果樹・花木(硬質な種子)の播き方
(1) 清潔で水はけのよい用土を用意します。
例:小粒の赤玉土や鹿沼土など、水はけのよい土を使用します。
(2) 種子の殻が硬い場合は、吸水しやすくするために表面に軽く傷をつけます。
ただし、深く削りすぎたり発根部分を傷つけたりすると発芽しない場合があるため注意してください。
(3) 種子を水、または殺菌剤を薄めた水に一晩浸します。
(4) 準備した用土に種子を置くようにまき、軽く土をかぶせます。
(5) 発芽するまで用土が乾かないように管理します。
ただし、過度な湿度はカビや腐敗の原因となるため注意してください。
(6) 発芽後、苗が育ってきたら一株ずつ鉢上げします。
その際、根を傷つけないよう丁寧に扱います。
※ 発芽までの期間は種によって異なります。種類によっては、温度や湿度などの条件が整ったときに発芽する場合があります。
※多くの硬い種子の果樹、花木についての発芽方法となります。



