果樹苗の植え方(鉢植え編)

果樹の鉢植えの仕立て方

 

鉢植え栽培のメリット

 

ベランダ栽培やコンパクトに育てたい人向き!
鉢植えで育てると根域制限されるので、樹勢が早く落ち着き、地上部が大きくなりにくく、早期開花や早期結実しやすくなります。

 

苗が届いたらすること

 

  • まず、箱から商品を全て出して、状態を確認してください。商品に異常があれば交換対応を行います。お届け後2日以上経過した苗の交換はお受けできません。届いた苗の土が乾いている場合は、たっぷりと水を与えてください。乾いていなければ水やりは不要です。(解説:基本的に土が乾いていなければ水やりは不要です。)
  • すぐに植え付けしても大丈夫ですし、すぐに植えることができなくても大丈夫。水管理さえすれば半年でもポットのままで大丈夫です。
  • 11~5月にお届けする落葉性の苗は基本的に葉がありません。また、同時期にお届けする1年生苗は畑からポットに仮植したばかりです。

 

冬の落葉樹!枯れてる枯れてない?
樹皮を爪や刃物で少し削ってめくってみて、樹皮の内側の形成層が緑色をしていれば、その部分より下は苗木は枯れておりません。

 

用意するもの

 

  • 鉢:苗の大きさと鉢の大きさが見合った大きさの鉢をご利用ください。
    1年生〜2年生果樹であれば10号鉢(直径深さとも30cm)。
    3年生以上の大苗であれば、10〜13号鉢(直径深さとも30〜39cm)くらいのものを用意します。
  • 大きすぎる鉢植えに植えると根腐れしやすくなります。最初から大きすぎる鉢に植える場合は、水やりの頻度を減らして育てましょう。
  • 果樹の土(落葉果樹の植え付け培養土)」もしくは、「みかんの土(常緑果樹の植え付け培養土)」。いずれも初期肥料がすでに入っています。
  • 支柱(風が吹く場所であれば必要)
  • ココチップ もしくは、鉢底土 (排水穴が少ない植木鉢や根腐れ心配性なら必要)

 

果樹を植えてみましょう!

 

 

 

1. 鉢底にココチップ鉢底石を5cmくらい入れます。

スリット鉢ガーデンバックなど排水性が良い植木鉢を使用する場合は鉢底石は不要です。

(解説:排水穴が多いスリット鉢などや、排水性が良いガーデンバッグなどでは排水性をよくするための鉢底石は不要なのです。鉢底石を入れても構いませんが、さらに乾きやすくなります。根腐れ常習栽培者や過湿大嫌い植物には鉢底石を入れましょう。)鉢底石やゴロ石は軽いものを選びます。軽いものだと鉢が軽くて楽です。

2. 苗を鉢に植え付けます。

 

  • 接木テープが残っている場合は取り外します。
  • 12~2月頃は根を広げるようにして、浅めに植え付けます。
    3~11月頃は根をほぐさずに、太い根を痛めないように注意して、そっと植え付けます。

植え付け時に根を痛めないように注意してください。苗木をポットから抜く際に土が崩れることがありますが、自然と土が落ちるのは問題ありません。仮植えポットの土は「花ひろば培養土”和み”」ですので、そのまま植え付ける用土に混ぜてお使いください。
根に直射日光が長時間当たらないように注意してください。
根が乾かないように注意してください。

 

解説:休眠期に細根を切ることによって新しい根が伸びやすくなりますので、ポットへの仮植時に根の整理をしております。ポットの中で根が張っていません。なしや柿などの直根性の苗木はゴボウ根で細根はほとんどありません。

    • 水が土に沁み込みやすいよう1分目はウォータースペースとして余裕を残し、さくらんぼや柿などの落葉果樹の場合は「果樹の土」を、柑橘類や山桃などの常緑果樹の場合は「みかんの土」を鉢の9分目くらいまで入れます。どちらも初期肥料がすでに入っています。

     

     

     

     

    • 植え付けたばかりの苗が横風で揺れないように、支柱をたてて固定します。支柱を挿す際に多少根をついてしまっても大丈夫です。幹に当て布をして幹が傷つくのを防ぎ、麻紐などで幹と支柱を固定してください。

     

    • (解説:苗が揺れることで土中で根が浮いたりして根の周囲に空洞ができると、乾燥して枯れたりします。それを防ぐために揺れないように支柱で固定します。苗が倒れないように支柱をするのではありません。苗が揺れるほど風があたらない場所では支柱はなくても良いです。支柱と幹を結束は自然と切れる麻紐などが理想で、針金が入っているビニール帯は使わない方が良いです。生長とともに幹が太るとビニール帯が幹に食い込んでとれなくなります。)

     

    品種ラベルを果樹の幹に直接巻いてあると、やがて幹が太って針金が幹に食い込み取れなくなります。品種ラベルは幹に直接巻いたままにしないようにしてください。

    3.  水をたっぷり土に入れて、土と根をしっかりなじませます。

    解説:水ぎめと言って、土と根をよく絡めて馴染ませるためにたっぷりたっぷりこれでもか!もっとか?っというくらい水を入れて土と根に隙間がないようにします。植物の根に水を吸わせるために水を入れるのではありません。水ぎめは植え付け直後の1回だけでいいです。

    注意:直根性の柿、なし、モクレン、コブシなどは細根が少なく根腐れしやすいので、水ぎめはせずに、棒で土を突いて土中の隙間がないようにして根を落ち着かせます。

    4. 植え付け後の剪定

     

     

    【1年生苗】は基本的に出荷前に剪定済みです。

    • 通常、1年目は11~4月に主幹を地際から30~60cmの所で切り戻します。
      (解説:主幹を切り戻す理由。主幹を短くすることで、新芽の数が少し減り、少ない新芽で栄養を分け合うので、芽吹き後の枝の伸びが良くなります。また低い位置から主枝が複数立つので将来的に収穫がしやすくなります。また、切り戻し剪定をすると樹勢が回復して生長に勢いが出ます。

     

    • 樹種によっては剪定していない場合がありますので、そのまま植えてください。

    【2年生や3年生苗】剪定していない場合は、枝先を5~10cm切り戻します。

     

    こちらのコガネムシの幼虫予防カバー で成虫の産卵を予防することが可能です。

     

     

    雑草防止、乾燥防止にもなります。水やりはカバーの上からかけていただければ沁み込んでいきます。泥はね予防にもなり、泥はねによる病気の原因を抑えることも期待できます。

     

     

    5. 完成! 果樹栽培の世界へようこそ!

     

    植え付けお疲れ様でした。

    苗木が根付くまでは約2~3年かかります。

    果樹がもたらしてくれるもの。それは豊かな生活です。

    季節の移り変わりを告げながら、家族と共に生長し、長く付き合うことができる果樹。

    落葉果樹の1年生苗木のほとんどがこのような棒苗ですが、生長を見守ってあげると下の写真のように枝や葉がどんどん生長し、早くて2年後には収穫が楽しめます♪

     

    果実の収穫までは年月がかかりますが、自分が植え付けた苗木が育ち、果実をつけた時の喜びは、何物にも変え難いものです。

    樹上で完熟させた果実は、本来の美味しさを改めて感じさせてくれるでしょう。

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