



● ヤシ サバンナ サバルの品種の特徴
「サバンナ・サバル」は、メキシコ西部のシナロア州からハリスコ州にかけて自生するヤシ科サバル属の大型種です。季節的に乾燥する熱帯地域を原産とし、雨季と乾季がはっきりと分かれる環境に適応しています。Sabal属というと、非常に耐寒性の高いSabal minorや、アメリカ南東部を代表するSabal palmettoなどが知られていますが、本種はそれらとはまた違った「乾燥した熱帯のサバル」らしい雰囲気を持っています。成長すると太くしっかりとした幹を形成し、その頂部から大型の掌状葉を大きく広げます。葉は緑色~やや青みを帯びた緑色で、一枚一枚が大きく、細かく分かれた葉片が放射状に広がります。成熟株では堂々とした樹形となり、一本植えるだけでも非常に存在感があります。若い株では地際から大きな葉を展開しますが、年月をかけて幹が立ち上がってくると、サバルらしい重厚感のある姿へ変化していきます。
特に魅力的なのが、南国らしい大型のファンパームでありながら、典型的な熱帯雨林のヤシとはまったく異なる環境に適応していることです。自生地は一年中湿潤な熱帯雨林ではなく、明瞭な乾季を伴う季節的に乾燥した熱帯地域です。そのため、栽培でも十分な日照を確保し、水はけの良い環境で育てるのに向いています。生育期には十分に水を与えることで成長を促せますが、一度ある程度まで成長した株は乾燥にも比較的対応できます。常に用土が湿り続ける環境よりも、水はけを確保してメリハリのある水管理をするとよいでしょう。日照は非常に重要です。小さな苗のうちは環境に合わせて徐々に日光へ慣らしますが、成長した株では十分な日照を与えることで、締まった力強い葉姿を楽しめます。一方、耐寒性については注意が必要です。Sabal属には非常に耐寒性の高い種類が存在しますが、Sabal roseiはメキシコ西部の季節的に乾燥する熱帯地域を原産とする種類です。そのため「サバルだから寒さに非常に強い」と一括りにするのはおすすめできません。耐寒性については国内での栽培例もまだ多くないため、特に幼苗のうちは強い霜や凍結を避けて管理するのが安全です。暖地では将来的な露地栽培を試してみるのも非常に面白い種類ですが、まずは鉢植えで株を充実させながら、その土地の冬の気候へ徐々に順化させるとよいでしょう。また、Sabal roseiは現在も独立した種として認められており、メキシコ西部に固有のサバルです。
メキシコの乾燥した大地に育つ大型のファンパーム。大きく広がる力強い葉と、成長とともに形成される堂々とした幹。Sabal minorやSabal palmettoなど北米系のサバルとはまた違った雰囲気があり、サバル属の地域ごとの多様性を楽しむことのできる種類です。
耐寒性のある定番ヤシだけではなく、少し変わったサバルを育ててみたい方にもおすすめしたい、野性味と存在感を兼ね備えた美しいヤシです。
「ヤシ(椰子)」は、単子葉植物ヤシ目ヤシ科に属する植物の総称で、熱帯地方を中心に亜熱帯から温帯にかけて広く分布しています。南国を思わせる独特の樹形やデーツのような実が収穫できるなど、ちょっとトゲトゲしてますが魅力の多い植物です。熱帯地方を中心に253属、約3333種、あまり多くはありませんが、日本にもシュロなど6属6種が自生しています。多くの品種で種が実用利用されています。食用に向かない観賞用の品種もありますが、食用油や工業油なども取れ、生食や砂糖の材料、ドライフルーツやジュースなどなど利用も多岐にわたる栽培価値の高い品種が多いです。
冬~春は古くなった葉が傷みや枯れこみが目立つようになります。中心部から新しい葉が生えるので、傷んだ葉は生え際で切っておくと良いです。
ヤシの木界トップクラスの耐寒性を誇るサバルヤシ。この木の最大の魅力は、サバル好きにはたまらない特徴的な幹姿です。古くなった葉柄の部分が幹に折り重なるように残り、クロスが重なり合っているように見えます。荒々しさをも感じられる独特のカッコ良さがあり、迫力のある幹姿を作り出します。
葉色はシルバーがかったグリーン。葉は大きく裂けた掌状葉(手の平の形)で、その見た目から熊手ヤシの別名も持ちます。
雌雄同株。花は両性花で白色、芳香があります。
リゾートガーデンの植栽には欠かせないヤシの木ですが、鉢植えにして観葉植物として楽しむこともできます。
| 学名 |
| Sabal rosei ヤシ科 サバル属 |
| 別名 |
| サバンナ・パルメット、サバル・ロゼイ |
| 開花時期 |
| 5~7月頃 |
| 花色・大きさ・花形 |
| 白 |
| 最終樹高 |
| 地植え:10m ~ 20m 鉢植え:1m ~ 2m (耐寒性常緑小高木) |
| 栽培用途 |
| 鉢植え、地植え、庭木、観葉植物、記念樹、シンボルツリー、街路樹 |
| 成長の早さ |
| 遅い |
| 植栽適地 |
| 関東以南~沖縄(鉢植えでなら全国で栽培可能) |
| 育てやすさ |
|
★★★☆☆ 育てやすい 日照条件:日なた~半日陰、耐陰性強い、土壌酸度:弱酸性 耐寒性やや強い(-5度)、耐暑性強い、耐乾性強い |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:ほとんどつかない 害虫:ほとんどつかない |
| 花言葉 |
| 勝利、成功 |
サバンナ・サバル| 実生ポット苗の育て方
植え方・用土
植え付け時期は、寒さが厳しくなる前の10月~11月頃、または暖かくなる春~初夏(4月~梅雨入り前)が最適です。水はけの良い土壌で植え付けてあげてください。
植え付け場所は日当たりの良い場所で管理してあげてください。日当たりが悪いと葉っぱが汚くなることがあります。
水はけの良い用土であれば育てられます。庭植えの場合、水はけが悪いようならバーク堆肥を混ぜ込んで排水性をよくしてから植えて下さい。地植えの場合は、花ひろば堆肥「極み」を使って植えていただくと良いでしょう。
鉢植えの場合は市販されている観葉植物専用の土か花ひろば培養土和みがお勧めです。
根詰まりすると生育が止まり、葉っぱが黄色く変色して枯れ混んできます。ですので鉢植えの場合は2年に一度くらいの頻度で植え替えする良いでしょう。
水をたっぷり与えると、どんどん大きく育っていきます。植え付け場所のスペースなども考慮して、土の表面を少し乾燥ぎみにさせて育てると、生長を抑えることができます。
水やり
地植えでは植え付け1年目の生育期だけこまめな水管理をします。根付いてしまえば水やりは雨任せで大丈夫です。
肥料のやり方
5月~10月頃に、2ヶ月に1度くらいのペースで緩効性化成肥料を与えてあげてください。
液肥でも構いませんが、冬場などの休眠期は与えなくても良いです。栄養剤肥料などで水はけが悪くなると根腐れが起こりますので、ご注意ください。
剪定方法
冬~春に古くなった葉が傷んでいくので、傷んだ葉は春に生え際で切ります。株の中心から新しい芽が伸びて生えます。中心部を切ってしまうと葉が出なくなるので切らないようにします。
病害虫の予防法
病害虫はあまり心配いりません。
基本的に丈夫な植物です。
増やし方
種まき
4~9月が発芽適期です。
種の発芽適温は25~35度であれば冬や夏も種まきできます。発芽には数週間~数ヶ月かかる場合があります。気長に水やりを続けましょう。
【種まきの方法】
果肉が残っているとカビの原因になりますので、果肉はきれいに取り除いてから、種まき前に1~2日程度、水もしくはぬるま湯に浸し、種の皮を柔らかくします。
無菌の赤玉土や鹿沼土、バーミキュライトやピートモス、ココピートなどの排水性の良い用土に1cm程度の深さにまき、種が隠れる程度に軽く土をかぶせます。
発芽するまでは土が乾燥しないように水やりを行い、明るい日陰(または半日陰)で管理します。発芽適温は約25~35℃です。



