● オーロランジュの品種の特徴

土壌のpHやアルミニウム含有量によって、オーロラのように花色が変化する手毬咲きのオーロランジュ。クリスタルヴェール2は花房の中でグラデーションを楽しめるのに対して、オーロランジュは花弁(正確には萼片)一枚の中でも様々なグラデーションが見られます。咲き始めはライムグリーンが基調の爽やかな花を咲かせます。酸性土壌でブルーに仕立てたオーロランジュは、奥行き深い爽やかなブルーグラデーションを魅せてくれます。アルカリ性土壌でピンクに仕立てたオーロランジュは、ピンクと呼ぶには忍びない趣あるピンクグラデーションを魅せてくれます。花色を見ながら調整してください。

ラグランジアは枝につく芽(側芽)に花がつくので、枝の先端にのみ花がつくこれまでのアジサイに比べて、たくさんの花をつけます。剪定が簡単。剪定位置を細かく気にしなくても、次の年にはたくさんの花芽をつけるアジサイです。また、剪定をしなくてもそのナチュラルな草姿を楽しむことができます。
従来のアジサイの1/4程度と葉が小さいので、水切れしにくく水やりが楽です。


左がラグランジアの葉、右は従来のアジサイの葉

切り花でも長く楽しめます。ラグランジアは茎の中にワタがなくスムーズに水揚げもします。

写真はラグランジア オーロランジュ

学名
Hydrangea hybrid アジサイ科 アジサイ属
作出年・作出者
2024年 (坂嵜潮)
開花時期
6~7月
花色・大きさ・花形
ライムグリーン~青紫や紫ピンク・・手まり咲き
最終樹高
地植え:0.2m ~ 1m 鉢植え:0.2m ~ 1m (耐寒性落葉低木)
最終葉張り
0.2m ~ 1.2m 
栽培用途
鉢植え、庭植え、コンテナ、花壇、ハンギング、プランター、切り花、ドライフラワー
植栽適地
東北以南~沖縄(鉢植えでなら全国で栽培可能)
育てやすさ
★★★★☆ 初心者におすすめ
日照条件:日なた~半日陰、耐陰性強い、
耐寒性強い(-15度)、耐暑性強い
耐病害虫性
耐病性:強い 害虫:強い
花言葉
移り気、浮気、無常、辛抱強い愛情、一家団欒、家族の結びつき

ラグランジア(R) オーロランジュの育て方


植え方・用土

植え付け、植え替えのベストシーズンは冬です。寒冷地では極寒期は避けます。冬の植え替えでは根をいじっても大丈夫です。生育期の春から秋は根をいじらずに植えます。落葉している冬も植え替えできますが、紫陽花は移植を嫌うので、地植えする場合は大株に育っても大丈夫な場所に植えてください。
適度に日が当たる場所で育てると花付きは良くなる一方、夏の直射日光に耐えられずに花痛みや葉焼けなど高温障害を起こしてしまうので、夏は日陰のほうが綺麗に育ちます。
肥沃な土壌を好み、紫陽花は全般に酸性土だと花色が青、アルカリ性だと赤に変わります。白花の品種は土質による色の変色は少ないです。堆肥を多めに良く漉き込んだ保水力のある用土に植えてください。鮮やかな青を出すにはピートモスを多めに入れた用土に植え、赤系の色を強くしたい場合は苦土石灰を土に少し混ぜて植えます。


春の植え付け方法

芽吹くと水をよく欲しがるのでなるべく早春までに地植えしておきたいです。2月ごろまでの植え付けでは根を多少広げ気味にして植えますが、それ以降は根はいじらずに植えてください。


夏の植え付け方法

芽吹いてからの植え付けでは根を傷めないように注意して、水切れに注意です。


秋の植え付け方法

10~11月の植え付けでは翌春からの乾燥に強く育ちます。地上部を短く切り戻して植え、表土はマルチングをしておくとよいです。


水やり

地植えの場合はあまり水やりは必要ありませんが、真夏の高温期は乾いているようなら水を与えます。
鉢植えは生育期は表面が乾いたらたっぷり与えます。夏の日あたりの良い場所では良く乾くきます。土が乾いていたら朝と夕方に与えてください。


肥料のやり方

春の生育期から晩夏まで、緩効性の置き肥を1か月に1回程度、500~1000倍に希釈した液体肥料を1~2週間に1回程度あげてください。緩効性肥料元気玉がおすすめです。肥料が効いていると葉の色が濃くなり、花が大きくなります。枝が太くなり、翌年たくさん花を咲かせてくれます。


花芽の付き方

旧枝咲きで2年目の枝の先端や側芽に花芽がつきます。花後は花茎すぐ下の脇芽のある葉の上で切ります。株が充実していると2回目が咲くことがありますが花は小さいです。


剪定方法

自然な樹形を楽しむ場合は剪定は不要。剪定をしなければ、ナチュラルに枝垂れる感じに育ちます。

写真はラグランジア(R)のブライダルシャワー

コンパクトにこんもりと仕立てたいなら、花後から夏の終わりまでに伸びた枝を剪定すると、ドーム状の株姿を楽しめます。

写真はラグランジア(R)のブライダルシャワー

たくさんの側芽に花が咲くのですが、上向きの枝は先端だけに花が付きやすい傾向があります。なので、夏が終わるまでに上向きの枝は剪定するか、上に伸びる枝を支柱などで横方向に誘引します。そうすることで、先端だけに花が咲くのではなく、花数が増えてたくさん咲きます。


その他栽培や性質の注意点

ラグランジアのよくあるご質問
Q; 植え替えの鉢はどれくらいの大きさが良いですか?
A: 3.5号ポット苗をお買い上げの場合は、1年目は6号鉢(直径約18cm)、5号ポット苗をお買い上げの場合は7号鉢(直径約21cm)がおすすめです。

Q: 最初から10号鉢(直径約30cm)などの大きな鉢に植え替えても良いですか?
A: 最初から大鉢に植え替えても問題ありませんが、土の量が多いので、土が乾きにくくなります。用土は湿ったり乾いたりが繰り返すのが理想です。土が常に湿っていると根腐れしやすくなります。水の与えすぎに注意してください。あと、肥料はこまめに与えてください。

Q: 鉢は大きくしたくないです。鉢増しせずに同じ鉢サイズで植え替えをする方法を教えてください。
A: できれば冬の休眠期に植え替えをします。根鉢の側面、土の肩や土の表面、底の部分の根や土を優しく崩して根鉢を少し小さくしてから、新しい土を補充して植え替えてください。同時に枝を少し切り戻しておくと植え替え痛みしにくいです。植え替え後は2週間くらい日陰で養生をしてください。

Q: 水切れさせてしまいました。生育期に鉢増ししてもいいですか?
A: まずは日陰に移動してすぐに水を与えてください。しおれた茎が戻らない場合は、枝先を軽く切り戻します。
鉢土が軽くなっていたり、土が締まって固くなっていたり、根が鉢いっぱいに回っているようであれば、鉢増ししたほうが良いです。根を傷つけないように根はほぐさずそっと植え替えてください。枝先を軽く切り戻し、植え替え後は直射日光が当たらない場所で養生し、2週間以上肥料は控えてください。生長が見られるようになったら、肥料を与えて日当たりに置いてください。真夏の猛暑時期は秋までは半日蔭のほうが良いです。

Q: 葉が小さいのが特徴とありますが、購入したラグランジアの葉は小さくありません。
A: 若木などで樹勢が強いと葉が大きくなる傾向があります。花芽がない勢いのある枝ほど葉が大きくなりやすいです。


その他豆知識

寒さに強いものの、霜で芽が傷んで花が咲かなくなったり新芽がねじれたりすることがあります。冬に寒冷紗で全体を覆うなど霜よけをしたり、鉢植えであれば軒下で育てるなど、寒さ対策をしてください。葉がねじれるのは生理障害なので切らずに様子を見てください。


病害虫の予防法

雨が当たらない場所や風通しが悪く乾燥している場所ではハダニが出やすくなります。また高温多湿だとうどん粉病や斑点病が出ますので、定期的にベンレート水和剤や殺ダニ剤などの消毒を行います。




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