● カモミール ローマンカモミールの品種の特徴
ヨーロッパでハーブティと言えばカモミールです。
ローマンカモミールは西欧で良く使われる多年草です。葉、茎、花、全てからリンゴのような優しい香りがします。
10~40cmほどの草丈のまま地面の横に這う性質があるので、チューダー王朝の頃から芝生として楽しむ事が流行し、今でも英国の古い庭園に残されています。
デイジーに似た可愛らしい花を咲かせます。その形状が太陽に似ていることから、エジプト時代の人々は太陽神に捧げる花として崇めていたそうです。
生育はゆっくりで、直立する茎は枝分かれしますが、茎が地面を這い発根することもあります。葉は羽状でとても細く裂けていて瑞々しく柔らかです。茎頂につく花は強い芳香があります。踏みつけにも強いので、香る芝生としても楽しめます。生長は遅く、夏の暑さに弱いので芝生ほど広く生え広がらないです。
冬になって地上部が枯れても宿根するので、翌春に充実した株となって芽を出します。
「植物の医者」と呼ばれ、まわりの植物を元気にするといわれます。いわゆるコンパニオンプランツです。
よく似たカモミールでジャーマンカモミールがあります。ジャーマンカモミールは一年草で花が少し小さく、葉に香りがありません。ハーブとしての効能もよく似ています。ハーブティーにするとジャーマンカモミールよりも苦味があります。
ローマンカモミールの利用法としては、花はハーブティーや入浴剤、ポプリや化粧品、芳香剤に使われます。葉や茎は入浴剤に用いられます。花を蒸留して精油してアロマテラピーや薬用の吸入剤に用いられます。押し花やポプリに用いたりもします。
キク科植物のアレルギーがある方は栽培や利用には注意が必要です。また飲食用でも適切に用いて、多量接種は控えてください。
学名 |
Chamaemelum nobile キク科 カモマイル属 |
別名 |
ペレニアルカモミール |
開花時期 |
5~6月 |
花色・大きさ・花形 |
白・小輪咲き(2cm位)・一重咲き |
香りの強さ |
★☆☆☆☆ 微香 フルーティー |
最終樹高 |
地植え:m ~ 0.3m 鉢植え:m ~ 0.3m (常緑多年草) |
栽培用途 |
コンパニオンプランツ、香りのベンチ、鉢植え、庭植え、寄せ植え、グランドカバー、ボーダー、花壇、切り花など |
成長の早さ |
遅い |
植栽適地 |
本州 |
育てやすさ |
★★★★☆ 初心者におすすめ 日照条件:日なた、 耐寒性強い、耐暑性普通 |
耐病害虫性 |
耐病性:やや強い 害虫:普通につく |
花言葉 |
逆境に耐える、苦難の中の力 |
ローマンカモミール|ポット苗の育て方
植え方・用土
日当たりと風通しの良い場所を好みます。日が当たらないと葉の色や香りが弱くなりますが、夏の暑さには弱いため、夏場は半日陰で管理します。
生育が旺盛ですので、鉢植えで管理する場合は1~2年に一度植え替えをします。丈夫ですので、その際株分けして増やすことも可能です。大きくしたくない場合は、株を整理するにとどめます。
水やり
鉢植えは土が乾いたらたっぷりと与えます。地植えは根着いてしまえば水やりしなくても大丈夫ですが、夏場の高温期などはハダニ防止のため朝に葉水を与えます。
肥料のやり方
肥料はあまり必要ありません。植え付け時に、緩効性化成肥料を元肥として施します。
あとは、花の収穫や刈り込みの後に液体肥料を適量与える程度で大丈夫です。
剪定方法
開花後、収穫を終えたら、夏暑くなる前に10cmほど剪定しておくと、夏の蒸れを防げます。
病害虫の予防法
日頃の観察が大切で、害が広がらないように早めの防除や対策を心がけて下さい。環境や種類選びによってもかなり減らすことができます。また、同一品種を多く植えるのではなく、いろいろな品種にハーブなどを加えて混植することも対策の一つです。
※害虫よけには、「ニーム核油かす」を適量お使い下さい。
(1.適材適所)
植物を健康に育てるためには、環境に適したものを植えることが大切です。 住んでいる地域の気候の特徴を考え、庭の日照、風通、排水性などを考慮し、無理なく育つ植物を選びます。
※排水性UPには「パーライト」をご使用下さい。保水性UPには「腐葉土」をご使用下さい。
(2.連作をしない)
同じ種類の植物を同じ場所に何年も植えていると、連作障害を起こすとともに、その植物に被害を及ぼす同一の病害虫の密度が高まります。
(3.水やり、肥料の過多(特にチッ素肥料))
軟弱に育ち、病気に対する抵抗力がなくなります。株間を適切にとり、切り戻しや間引きなどを行い、日当りと風通しを良くすることが大切です。
(4.花がらをこまめに摘み取る)
花がらが茎葉に付着した状態で雨に当たると、灰色かび病(ボトリチス病)を発生させます。花がらをつけておくと種がつき、株も消耗します。なるべく早く摘み取ります。
(5.雑草を放置しない)
雑草は風通しや株元への日照を妨げ、病害虫を発生しやすくするだけでなく、土壌の養分も横取りします。
増やし方
種まき、挿し木、株分け