● フェイジョア クーリッジの品種の特徴
『クーリッジ』は、自家結実性があり、1本でも実がなります。花粉が多いので受粉樹にも向きます。
いつも販売開始と同時に売り切れてしまう「フェイジョア」。 あの「アポロ」と人気を二分するのがこの「クーリッジ」です。
アポロと性質も似ているのですが、アポロよりもさらに生産本数が少ないので、なかなか手に入りません。晩生品種です。果実は西洋梨の形や、長円形です。中型の果実で大きさが一定していません。小枝が出やすいので風通しを良くするための間引き剪定をこまめにするとよいでしょう。
別名:くーりっじ
フェイジョアは常緑で魅力の多い果樹です。枝の色が茶色。葉が丸く照り葉で葉の裏はシルバーがかっています。葉色と枝の茶色のコントラストが美しいです。小さめですが、エキゾチックな南国風の花が咲いて花は食べれるエディブルフラワー。病害虫はほとんどつかず、果実が実ります。塩害に強いので海岸側でも育ちます。強い剪定にも耐えますので生垣や目隠しにも使えます。
熱帯果樹には珍しく-10℃ほどまでの耐寒性がありますが、-5度以下だと落葉が多くなります。病害虫や乾燥にはかなりの耐性はありますが、環境が悪いと結実しないこともあります。樹高はほとんどの改良品種では約3mほどに収まり、樹形も整えやすいですがやや成長が遅いです。卵型の葉は表は濃緑で裏は銀色、もしくは白色をしています。葉にはところどころ赤紫~黒のシミ模様が出ることがありますが、病気ではありません。
夏に4cmほどの花をつけ、内側が赤褐色で外側は白色です。赤い雄しべが非常に目立ち、芳香はほとんどありません。花弁は分厚く甘みがあるので、日本ではヒヨドリなどが花弁を摂食します。花粉の媒介は蜂によるものがほとんどです。自然受粉でも結果しますが、人工授粉ならなおよしです。
果実にはパイナップルとバナナを混ぜたような上品な香りと、キウイ以上の甘みがあります。果実は西洋ナシと桃をミックスしたような風味で、日本人好みの味。生食できます。その他にジャムやゼリーなどの加工食品や果実酒などに利用されます。果実は自然落果したものを更に追熟させてから食べます。果実の中には硬い部分とゼリー質の柔らかい部分があり、断面はゼリー質が花のような独特の形をしています。品種、生育状態によって対する割合は違ってきます。果皮は硬いです。
収穫したばかりだと果肉も硬いですが、1か月程度おいておくと熟して柔らかくなってきます。
フェイジョアにはビタミンや食物繊維、ポリフェノール類を豊富に含んでいます。特にビタミンCの含有量は高く、ミカンと同じ程度含有していると言われています。他にも抗酸化物質のプロアントシアニジンを多く含んでいます。
学名 |
Feijoa sellowiana ‘Coolidge’ フトモモ科 フェイジョア属 |
別名 |
くーりっじ |
開花時期 |
5月中旬~6月 |
花色・大きさ・花形 |
白(主に雄しべの赤が目立つ)・小輪咲き(4cm位)・一重 |
香りの強さ |
なし |
収穫時期 |
11月下旬~12月上旬(晩生種) |
果実の大きさ |
中果 |
甘さ |
★★★★★ 平均糖度:15度 |
果実の用途 |
生食、冷凍フェイジョア、ジャムなど |
結果年数 |
3~5年 |
自家結実性 |
1本でなる(2本以上植えるとさらに収穫量が増えます。花粉が多いので受粉樹に最適。推奨受粉樹の()内は着果率 九州農業研究の論文より抜粋) |
推奨受粉樹 |
クーリッジ(68%)、トライアンフ(50%) |
最終樹高 |
地植え:3m ~ 3.5m 鉢植え:1m ~ 2m (耐寒性常緑中低木) |
最終葉張り |
2m ~ 3m 半開帳性 |
栽培用途 |
果樹、地植え、果樹畑、花壇、鉢植え(7号鉢以上)、庭木、記念樹、目隠し、生垣、スタンダード仕立て |
成長の早さ |
樹勢が強い |
植栽適地 |
北関東~九州 |
育てやすさ |
★★★★★ 初心者におすすめ 日照条件:日なた~半日陰、耐陰性やや強い、 豊産性あり、耐寒性普通(-8度)、耐暑性普通、耐乾性強い |
耐病害虫性 |
耐病性:強い 害虫:普通 |
芽吹き時期 |
4月頃 |
花言葉 |
実りある人生、情熱に燃える心、甘美な思い出 |
フェイジョア クーリッジの育て方
植え方・用土
3月~4月ごろが植え付け適期です。暖地では、秋に植えても結構根付きます。芽吹いた苗を植える際は、根を崩さずに植えてください。
水はけの良い土壌であれば土質は特に選ばないので安心です。日当たりを好みますが夏の乾燥で果実の生長が鈍ることがあります。夏の乾燥に備えて、庭植えでは乾燥防止のマルチングをお勧めします。樹は防風林に用いられるほど風には強いのですが、果実は強風で傷ついたりしますので、強い風が避けられる場所がおすすめです。
植え付け時に60cmくらいで切り戻しをし、側枝の発生を期待します。低い枝は避けやすいので、地際から50cm以下の枝は取り除いてしまいます。
肥料のやり方
肥料は3月ごろと収穫後に速効性の化成肥料などを与えます。また、2月ごろに寒肥として牛糞や鶏糞、油粕など、有機質肥料を与えます。
剪定方法
特に必要な剪定はありません。樹形を乱す枝や重なる枝、樹冠内部に向かう枝を間引く程度です。花芽は昨年伸びた枝先とその下にできますので、剪定をする場合は4月ごろまでにします。それ以降の剪定では花芽を落としてしまうことがあります。
放任すると5mくらいになることもありますが、開帳性なので2mくらい樹高に維持するのも簡単です。生垣として栽培してもめちゃめちゃおしゃれです。
その他豆知識
収穫は、自然落果した果実から収穫します。収穫したばかりの果実は香りも味も良くないので、室温で10~15日保管し、皮が柔らかくなってきたころが食べごろ。香りも強くなり、あま~いですよ。花も強い甘さが人気で、エディブルフラワーとしても利用できます。
病害虫の予防法
病気はほとんどでません。害虫ではコウモリガやハマキガがでますので、見つけ次第捕殺もしくは、消毒します。7年くらい育ててるけど、「病害虫はなんにもつかへん 」という心強いコメントをある岐阜県のお客様からいただきました。