園芸店の植物管理のうんちく。
苗木部部長の高井尽です。
植物管理のうんちくをお届けします。

前回の苗木部通信では長文のうんちくコーナーでした。
読んでいただいた方からの感想をいただいたり、
とっても嬉しいメールをいただき、
心から感謝しています。
いつもありがとうございます。
(前回の苗木部通信はこちらをクリックするとご覧いただけます。)

苗木部には様々な栽培のご相談が寄せられております。
今日もこの時期のご質問をいくつかご紹介します。
みなさんも、一緒に考えてみましょう!

Q:レモンの木の調査が悪いが、自力で原因を特定するのが不可能でした。
ネットで探してたら、参考になりそうな記事を見つけ、問い合わせしてみました。
2.5年ぐらいの土植のレモンの木でして、今まで元気でした。
去年も1つの実があり、今年も葉がのびのびし、
花のツボミも7つぐらいできていました。

そして、先週の大雨の後、急に(1日で)一部の葉や枝が写真茶色になりました。
葉によっては、真ん中だったり、端っこだったりです。
周りの雑草の一部も似たような状況です。
虫かと思い、ダメージ葉を切りましたが、それ以来元気がなく、一部の葉が落ちそうです。

原因や対策についてアドバイスをいただけたら、ありがたいです。
(ご質問はここまで)

これも害虫に食べられた跡っぽいです。
犯人はこれです。
苗木の殺し屋の親玉です。

カミキリムシの成虫が食害した跡です。
成虫がいるということは、産卵していたりする恐れがあるので、
早めに対処をお願いします。
カミキリムシで注意したいのは幼虫のほうで、
枝や幹に潜り込んで枝や幹の中を食べるため、そこから上が枯れてしまいます。

まずは、周囲の雑草や枯れ木は片付けるのと、
カミキリムシ予防樹脂フィルムを塗っておくなど、
対策をお願いします。
では、次のご質問です。

Q:購入から丸二年になるいちじくの木(ヌアールK)ですが、まだ実はなっていませんが、枝の先端に葉が付き始めました。

ただ主幹の根元に木屑の様なものがあり、不思議と思い何度か払ったのですが、また根元に木屑が?
よく見ると、主幹の根元に小さな穴が見受けられます。

虫が食っているようです???
今後の対応を教授願います。
1.このままで良いか?【腐てしまうのでは】
2.駆除の方法?
以上宜しくお願いします

A:カミキリムシの幼虫による食害の後です。
穴の中にカミキリムシの幼虫(テッポウムシとも言います)がいて、
幹の内部を食べています。
こんなふうに。
(以前、いちじくの苗にいたテッポウムシの幼虫です。)

虫嫌いな方、ごめんなさい。
なので、木屑や糞が出ています。
イチジクやブドウ、もみじなど様々な植物を枯らす害虫で、最近ですとソメイヨシノを枯らしていると問題になっている害虫です。
テッポウムシはシラカバやバラ、柑橘類も、あらゆる植物に侵入します。
樹齢10年以上のみかんの木などが時々枯れる場合は、
原因はテッポウムシを真っ先に疑います。
テッポウムシは苗木の殺し屋です。

カミキリムシの幼虫(鉄砲虫)は
幹や枝の内部に侵入し1~2年くらいで成虫になります。
成虫は、先のご質問の写真のように、株元や枝、葉をかじったり、
周囲に卵を産みます。

卵から孵った幼虫は幹や枝、太い根っこの内部に入り込んで、
主幹や枝の内部を食害します。
侵入した穴からおがくずや糞が出ていたりします。
↓こんな感じで。

食い荒らされると、その部分よりも上が枯れてしまいます。
株元に入って食害が進むと、その木そのものが枯れてしまいます。
おがくずがでるのが止まらない場合、
まだカミキリムシの幼虫がいますので、
繰り返し殺虫するか、穴を刃物などで広げて針金などを差し込み刺殺します。
または、カミキリムシ用の殺虫剤で駆除してあげてください。
↓ このお薬です。

周囲に雑草が多かったりするとカミキリムシの成虫がやってきやすいので、
周囲にゴミや枯れ枝、雑草は放置しないようにお願いします。
また、カミキリムシの被害にあって枯れた木は放置しないほうが良いです。
被害が拡大します。
テッポウムシはある日突然やってきて、
知らない間に食害し始めます。

カミキリムシの予防には、予防フィルムが効果的です。
予防フィルムを幹に塗り込んで、カミキリムシの侵入を防ぎます。
↓ テッポウムシ予防樹脂フィルムです。

『テッポウムシ予防樹脂フィルム』の効果
樹木の表面に塗るだけで 表面に樹脂フィルムを生成します。
柔軟で弾力のあるフィルムが表面を保護するので、
樹木の匂い物質「テルペン類」等を遮断し害虫の樹種判別を阻害します。
樹皮がフィルムコーティングされているので、
害虫が取りついた時に違和感をもたらし突入を防止します。
柔軟で弾力があるコーティングで害虫の樹皮下での越冬を阻害します。

また、現在、越冬中の成虫を封じ込め、
他の株への移動することを抑制し被害の拡大を抑えます。
3倍以上の伸びがあるフィルムコーティングなので、植物の生育を阻害しません。
新芽の成長も阻害しません!
フィルムを塗ると数時間で透明になり、見た目を阻害しません。
テッポウムシ予防樹脂フィルムは農薬ではありません。
非農薬の特殊共重合樹脂(40~60%)、乳化剤他(残り40~60%)を材料にしています。

・日本食品衛生協会の食品、添加物等の規格基準に適合しています。
・日本産業日不衛生協会の皮膚貼付試験判定は準陰性です。
一度試してみてください。

今回はすべてテッポウムシが原因の植物の育て方相談でした。
毎年、同じようなご相談をいただくので、
テッポウムシ駆除やカミキリムシの予防のご相談も毎年いただきます。

そろそろカミキリムシの季節になります。
日々、苗木の様子を観察し、異変や異常がないか、
早期発見、早期治療をお願いします。
テッポウムシは本当にやっかいな害虫です。
皆さん、お気をつけて~~~~

今回ご紹介したご質問の記事は、
苗木部の部室で紹介した内容を再編集しました。
皆様から寄せられるご質問で、
他の方の参考になりそうなものは、
ブログの部室で掲載して、
注意喚起させていただいております。

2020年5月26日
レモンの枝や葉が茶色くなる原因

2018年4月2日
主幹の根元に木屑の様なものが?

2017年12月11日
テッポウムシ(カミキリムシ)の予防法

園芸って素晴らしいです。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました!
苗木部 部長 高井尽(たかいつくす)

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