



● ヤシ バハマ サバルの品種の特徴
「バハマ・サバル」はバハマ諸島に自生する大型のファンパームで、かつてはSabal palmetto var. bahamensis、さらに独立種Sabal bahamensisとして扱われたこともあります。現在の分類ではSabal palmettoの異名としてまとめられていますが、バハマという明確な産地を持つ地域個体群として、サバルをコレクションするうえでは非常に面白い存在です。Sabal palmetto自体はアメリカ南東部からバハマ、キューバなどに自然分布しています。
成長すると太くまっすぐな幹を立ち上げ、その頂部から大型の掌状葉を放射状に広げます。葉は1~2.5mほどの幅になることがあり、多数の細長い葉片に深く分かれます。葉片の先端はやや垂れ下がり、サバルらしい立体感のある大きな葉を形成します。成熟した株では高さ10mを大きく超えることもあり、非常に堂々とした姿になります。若いうちは葉の付け根が幹に残り、荒々しくワイルドな外観を見せることがありますが、古い葉柄が落ちた部分にはすっきりとした幹が現れます。花序には小さな白色の花を多数咲かせ、その後、成熟すると黒色になる小さな球形の果実を付けます。
そしてバハマ・サバルの面白さは、その自生地にもあります。バハマ諸島は石灰岩を基盤とする島々で、強い日差しや海からの風にさらされる亜熱帯の環境です。湿潤な森林の中だけで育つ繊細な熱帯ヤシとは異なり、Sabal palmettoは日照の強い環境にも適応する丈夫なヤシです。栽培では日当たりの良い場所を好みます。小さな苗は急激な環境変化による葉焼けを防ぐため徐々に直射日光へ慣らしますが、株が充実してからは十分な日照を与えることで、サバルらしい力強く締まった葉姿を楽しめます。用土は水はけの良いものを使用します。ある程度成長すれば乾燥にも対応しますが、生育期には十分な水分を与えた方が成長は良好です。特に鉢植えの幼苗では極端な水切れを繰り返さないように管理します。
また、一般的な熱帯ヤシと比較すると寒さにも強いことが大きな魅力です。Sabal palmettoはアメリカ南東部にも自然分布する亜熱帯性のヤシで、サバル属の中でも露地栽培に利用される種類です。ただし、本個体はバハマ由来のタイプですので、特に幼苗のうちは強い凍結や寒風を避けながら育て、株の成長に合わせて徐々に屋外環境へ順化させるのがおすすめです。フロリダなどに自生するSabal palmettoと同じ種でありながら、カリブ海に浮かぶバハマ諸島を由来とするバハマ・サバル。
現在では同一種にまとめられているものの、かつて変種、さらには独立種として名前が与えられた歴史を持っています。単に「Sabal palmettoを育てる」のではなく、産地の違いまで含めてサバル属の多様性を楽しみたい方におすすめしたい、非常に興味深いバハマ由来のファンパームです。
「ヤシ(椰子)」は、単子葉植物ヤシ目ヤシ科に属する植物の総称で、熱帯地方を中心に亜熱帯から温帯にかけて広く分布しています。南国を思わせる独特の樹形やデーツのような実が収穫できるなど、ちょっとトゲトゲしてますが魅力の多い植物です。熱帯地方を中心に253属、約3333種、あまり多くはありませんが、日本にもシュロなど6属6種が自生しています。多くの品種で種が実用利用されています。食用に向かない観賞用の品種もありますが、食用油や工業油なども取れ、生食や砂糖の材料、ドライフルーツやジュースなどなど利用も多岐にわたる栽培価値の高い品種が多いです。
冬~春は古くなった葉が傷みや枯れこみが目立つようになります。中心部から新しい葉が生えるので、傷んだ葉は生え際で切っておくと良いです。
ヤシの木界トップクラスの耐寒性を誇るサバルヤシ。この木の最大の魅力は、サバル好きにはたまらない特徴的な幹姿です。古くなった葉柄の部分が幹に折り重なるように残り、クロスが重なり合っているように見えます。荒々しさをも感じられる独特のカッコ良さがあり、迫力のある幹姿を作り出します。
葉色はシルバーがかったグリーン。葉は大きく裂けた掌状葉(手の平の形)で、その見た目から熊手ヤシの別名も持ちます。
雌雄同株。花は両性花で白色、芳香があります。
リゾートガーデンの植栽には欠かせないヤシの木ですが、鉢植えにして観葉植物として楽しむこともできます。
| 学名 |
| Sabal palmetto var. bahamensis(Sabal bahamensis) ヤシ科 サバル属 |
| 開花時期 |
| 5~7月頃 |
| 花色・大きさ・花形 |
| 白 |
| 最終樹高 |
| 地植え:10m ~ 10m 鉢植え:1m ~ 2m (耐寒性常緑小高木) |
| 栽培用途 |
| 鉢植え、地植え、庭木、観葉植物、記念樹、シンボルツリー、街路樹 |
| 成長の早さ |
| 遅い |
| 植栽適地 |
| 東北~沖縄(鉢植えでなら全国で栽培可能) |
| 育てやすさ |
|
★★★★★ 初心者に超おすすめ 日照条件:日なた~半日陰、耐陰性強い、土壌酸度:弱酸性 耐寒性強い(-10度)、耐暑性強い、耐乾性強い |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:ほとんどつかない 害虫:ほとんどつかない |
| 花言葉 |
| 勝利、成功 |
バハマ・サバル| 実生ポット苗の育て方
植え方・用土
植え付け時期は、寒さが厳しくなる前の10月~11月頃、または暖かくなる春~初夏(4月~梅雨入り前)が最適です。水はけの良い土壌で植え付けてあげてください。
植え付け場所は日当たりの良い場所で管理してあげてください。日当たりが悪いと葉っぱが汚くなることがあります。
水はけの良い用土であれば育てられます。庭植えの場合、水はけが悪いようならバーク堆肥を混ぜ込んで排水性をよくしてから植えて下さい。地植えの場合は、花ひろば堆肥「極み」を使って植えていただくと良いでしょう。
鉢植えの場合は市販されている観葉植物専用の土か花ひろば培養土和みがお勧めです。
根詰まりすると生育が止まり、葉っぱが黄色く変色して枯れ混んできます。ですので鉢植えの場合は2年に一度くらいの頻度で植え替えする良いでしょう。
水をたっぷり与えると、どんどん大きく育っていきます。植え付け場所のスペースなども考慮して、土の表面を少し乾燥ぎみにさせて育てると、生長を抑えることができます。
水やり
地植えでは植え付け1年目の生育期だけこまめな水管理をします。根付いてしまえば水やりは雨任せで大丈夫です。
肥料のやり方
5月~10月頃に、2ヶ月に1度くらいのペースで緩効性化成肥料を与えてあげてください。
液肥でも構いませんが、冬場などの休眠期は与えなくても良いです。栄養剤肥料などで水はけが悪くなると根腐れが起こりますので、ご注意ください。
剪定方法
冬~春に古くなった葉が傷んでいくので、傷んだ葉は春に生え際で切ります。株の中心から新しい芽が伸びて生えます。中心部を切ってしまうと葉が出なくなるので切らないようにします。
病害虫の予防法
病害虫はあまり心配いりません。
基本的に丈夫な植物です。
増やし方
種まき
4~9月が発芽適期です。
種の発芽適温は25~35度であれば冬や夏も種まきできます。発芽には数週間~数ヶ月かかる場合があります。気長に水やりを続けましょう。
【種まきの方法】
果肉が残っているとカビの原因になりますので、果肉はきれいに取り除いてから、種まき前に1~2日程度、水もしくはぬるま湯に浸し、種の皮を柔らかくします。
無菌の赤玉土や鹿沼土、バーミキュライトやピートモス、ココピートなどの排水性の良い用土に1cm程度の深さにまき、種が隠れる程度に軽く土をかぶせます。
発芽するまでは土が乾燥しないように水やりを行い、明るい日陰(または半日陰)で管理します。発芽適温は約25~35℃です。



