




● マンゴスチン ドワーフチェリーの品種の特徴
「ドワーフチェリーマンゴスチン」は真っ赤な小さな果実の中に、マンゴスチンを思わせる白い果肉。爽やかな甘味をそのまま楽しめ、さらに果皮まで食用にできる、小型で非常に面白いガルシニアです。
Garcinia lanceifoliaは、インド北東部、バングラデシュからミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムなどインドシナ地域に分布するオトギリソウ科(フクギ科)Garcinia属の常緑樹で、現地では食用・薬用植物として利用されてきました。
自生環境も興味深く、標高約400~1,200mの湿潤な亜熱帯~熱帯の山地常緑林に生育します。強烈な直射日光が降り注ぐ開けた場所だけでなく、森林内では他の樹木の下層に生えることも多い植物です。
樹高は最大10mほどになることがありますが、Garcinia属の中では比較的小型です。マンゴスチン類をコレクションしたいものの、巨大化する熱帯果樹は扱いにくいという場合にもおすすめの品種です。
そして、本種の最大の魅力は鮮烈な赤い果実。
一見するとローズマンゴスチンGarcinia forbesiiにもよく似ていますが、実際に果実を比較すると色彩の印象が異なります。個人的にはG. lanceifoliaの方が「真っ赤」という表現がよく似合い、熟した果実の鮮やかな赤色は非常に美しいものです。
果実を割ってみると、内部の構造はマンゴスチン(Garcinia mangostana)を思わせます。
実際に食べてみても、その印象は外見だけではありませんでした。
果肉には爽やかな甘味があり、風味はマンゴスチンに似ています。Garcinia属の野生果実には強烈な酸味を持つものも少なくありませんが、今回食べたG. lanceifoliaは酸味が比較的控えめ。そのまま生食して十分に美味しいと感じられる果実でした。
マンゴスチンほど濃厚で重たい甘さというより、もう少し軽快で爽やか。小さな赤い果実からマンゴスチンを思わせる味が現れるというだけでも、食べ比べる価値のある面白い果樹です。
さらに面白いのが、果肉だけでなく果皮も食用になることです。
G. lanceifoliaは原産地域で果実や果皮などが食用に利用され、漬物、飲料、ジャム、シロップ漬け、アイスクリームの風味付けなど、さまざまな形で利用されてきました。若芽や葉も食用にされます。
実際に果皮を食べてみると、果肉とはまったく違う味わいです。
個人的には若いPrunus属の果実を思わせるような、青々しさを伴った酸味を感じました。そのまま大量に食べるというより、甘辛いタレとの相性が非常に良く、タレにつけて食べるとなかなか美味しい。甘い果肉をデザートとして楽しみ、酸味のある果皮を別の食材として利用できるという、一つの果実で二通りの楽しみ方ができます。
栽培では、原産地が湿潤な山地林であることを意識したい植物です。熱帯果樹ではありますが、乾燥地性ではありません。保水性を持ちながら水はけの良い有機質に富んだ土壌を好み、幼木のうちは強烈な西日を避けた明るい半日陰でも育てやすいと考えられます。
耐暑性については熱帯~亜熱帯地域に分布するため高いと考えられますが、日本の猛暑下での栽培データは十分ではありません。一方で標高1,200m程度まで分布するものの、具体的な耐寒温度を示す信頼できる情報は乏しいため、「山地性だから耐寒性が高い」と判断するのは避けた方がよいでしょう。日本ではまず鉢植えとし、霜や凍結を避けて越冬させることをおすすめします。私自身も今後栽培を続け、日本での耐寒性や耐暑性について調査していきたいと思います。
真っ赤な果皮を開けば、マンゴスチンを思わせる構造と爽やかに甘い果肉。そして、その赤い果皮まで食べることができる。
ドワーフチェリーマンゴスチンは、単に「小さなマンゴスチンの仲間」というだけではありません。果肉と果皮でまったく異なる味と利用方法を楽しめる、Garcinia属の多様性を体感するには非常に面白い果樹です。
| 学名 |
| Garcinia lanceifolia フクギ科 フクギ属 |
| 別名 |
| マンギス、マンクット |
| 開花時期 |
| 条件が合えば年2回 |
| 花色・大きさ・花形 |
| 赤と白 |
| 収穫時期 |
| 開花後110日~130日前後 |
| 果実の用途 |
| 生食 |
| 結果年数 |
| 5年 |
| 自家結実性 |
| 1本でなる(単為結果する)(メス木なら1本でも単位結実します。雌雄異株ですがメス木だけでも単位結実します。(種から育てるとほぼ99%メス、それも親のクローンになるようで、基本オス木が存在しないとされています)) |
| 最終樹高 |
| 鉢植え:1m ~ 2m (常緑小高木) |
| 栽培用途 |
| 鉢植え、観葉植物など |
| 成長の早さ |
| 遅い |
| 植栽適地 |
| 日本全国(原則、鉢植え栽培) |
| 育てやすさ |
|
★☆☆☆☆ 難しい 日照条件:半日陰、土壌酸度:弱酸性 耐寒性弱い(10度)、耐暑性普通 |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:普通 害虫:普通 |
| 花言葉 |
| チャーミング |
マンゴスチン|ドワーフチェリー 実生ポット苗の育て方
植え方・用土
ph5~6.5の弱酸性土で湿り気のある土壌を好みます。ブルーベリーの土で育てるとよいです。樹高が30cmに満たない若木の内は半日陰で管理してください。強い日当たりでは葉焼けします。耐寒温度は7度くらいまで、18度を下回らないのが理想です。25度以上の環境で成長し、35度以上で弱ります。根が弱いため、植替え時はなるべく崩さないようそっと植え替えます。
水やり
暑い時期は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。常緑樹ですが気温が下がると地上部が枯れ、根の状態で冬越しすることもあります。落葉したり地上部が枯れた場合は、20度以下の場合は3日に一回、15度以下の場合は4日に一回という感じで水やりを控え目に。
肥料のやり方
春~秋にかけて2ヶ月おきに緩効性の肥料を与えてください。
花芽の付き方
小枝の先端に花芽がつきます。3m程度になったら水ストレスで花芽をつけます。
石垣島では10月から11月は水やりは少なめにし、12~1月は土壌は土壌から乾燥する分を補う程度に水やりを行い、土壌乾燥させます。日中に葉がしおれても翌朝には回復する程度の乾燥ストレスをかけ続けます。最先端部の枝の軸がしおれるほど水ストレスをかけ続けて1か月後くらいから水やりの量を増やすと、枝の先端部が割れて丸い花芽が出てきます。水ストレスがきつすぎると落葉しますが、日焼けさせなければ水やりで葉芽が出ます。
2月から水やりを増やしていきます。
剪定方法
特に必要ありませんが、剪定する際は成長期に行います。2~3m程度で主幹を切り戻し、その後は先端部の目はすべて書き取り、下の枝葉を増やすように育ててください。
その他栽培や性質の注意点
収穫まで長い年数がかかります。観葉植物として、大事に育てることをおすすめします。
その他豆知識
マンゴスチンの生産者さんへの質問
Q: 葉先から茶色くなって枯れてきたのですが。
A: マンゴスチン・ドリアン・ランブータンなど、赤道直下で育つ純熱帯果樹は葉先が巻いて茶色くなってくるのは生理現象です。生理現象なので、病害虫や水の与えすぎが原因ではありません。葉先が茶色くなっても取り除いたりする必要はありません。
Q: それにしても高いですね。どうしてこんなに高いのですか?
A: マンゴスチンは苗がほぼ流通しておりません。売り切れたら次はいつご用意できるかはわかりません。種から育てても発芽して苗になるのがとても少なく、栽培がむつかしく歩留まりが悪いんです。また、苗にできても4年生でようやく30cm程度。最初はぜんぜん生長してくれないので、樹齢のわりに大きくならず、生長に時間がかかるので値段も高くせざるをえないのです。
増やし方
接木(フクギを台木にする)、種まき。種を綺麗に洗って1日程度水に漬けます。ピートモスと鹿沼土を混ぜた用土に3cmくらいの深さに植えると1か月くらいで芽吹いてきます。ブログやYoutubeでも発芽成功の情報は少ないです。




