


● マンゴスチン メスタの品種の特徴
「果物の女王」と呼ばれるマンゴスチン。その数少ない変異タイプの一つで、大きな果実と驚くほど旺盛な生育を見せる、マレーシア由来の「メスタ」です。
マンゴスチン(Garcinia mangostana)は東南アジアを代表する熱帯果樹ですが、一般的な果樹のように多数の明確な栽培品種が存在する植物ではなく、果実や樹姿の変異が比較的少ないことで知られています。その中で「メスタ(Mesta)」は、通常のマンゴスチンとは異なる特徴を持つタイプとしてマレーシアで栽培されています。
今回の「メスタ」は、マレーシア半島部に由来するタイプです。最大の特徴は、果実の先端がやや尖った独特の形状。一般的なマンゴスチンが丸みの強い果実になるのに対し、本タイプは先端に特徴的な尖りが現れ、果実も通常より若干大きくなります。葉も一般的なマンゴスチンと比較するとやや長く、苗の段階から違いを観察できるのも興味深いポイントです。
さらに注目したいのが、その生育の早さです。マンゴスチンは「実がなるまで非常に時間がかかる果樹」として有名ですが、メスタは通常タイプと比較して生育が非常に早いとされ、現地では種子から約5年で結実する例も紹介されています。マンゴスチンを実際に育てて果実を収穫してみたい方にとって、この早熟性は非常に大きな魅力です。
一方、「メスタ」という名称については注意が必要です。現在、東南アジアでは先端が尖ったやや大型のマンゴスチンを広く「メスタ」と呼ぶ傾向が見られます。しかし、実際にマレーシア、インドネシア、その周辺地域の個体を比較すると、果実や葉などの特徴には違いが見られます。そのため、これらをすべて同一のものと考えるのではなく、産地ごとの異なる系統として扱う方が実態に近いと考えています。
今回取り扱うものは、その中でも「マレーシア半島部由来」であることが確認されたメスタです。一般的なマンゴスチンとは少し違う果形、やや大型の果実、長めの葉、そして旺盛な生育という特徴を楽しめます。
果肉はマンゴスチンらしい純白色で、みずみずしく、サクサクした食感と濃厚な甘味、上品な酸味を楽しめます。生食でそのまま味わうのが最もおすすめで、完熟果ならではの芳醇な風味はまさに「果物の女王」と呼ばれるにふさわしいものです。
高温多湿な熱帯環境を好み、耐暑性は非常に高い一方、寒さと乾燥には弱い植物です。特に幼木は低温の影響を受けやすいため、日本では鉢植えを基本とし、冬季は10℃以上を目安に温室や室内で管理することをおすすめします。強烈な直射日光よりも、幼木のうちは明るい半日陰で湿度を保ちながら育てると安定します。
変異の少ないマンゴスチンだからこそ際立つ、「メスタ」という存在。中でも産地をマレーシア半島部まで明確にした本タイプは、果実を楽しみたい方はもちろん、マンゴスチンの地域変異や系統そのものを楽しみたいコレクターにもおすすめしたい、非常に興味深いマンゴスチンです。
なお、『メスタ』という名称や各地域に分布する個体群の違いについては、まだ不明な点も多く残されています。私自身も今後、マレーシアやインドネシアをはじめとする現地での観察や比較を続け、それぞれの果実、葉、生育特性などの違いについて、さらに調査を進めていく予定です。新たに分かったことがあれば、随時情報を更新していきます。
| 学名 |
| Garcinia mangostana ‘Mesta’ / Malaysia Type フクギ科 フクギ属 |
| 別名 |
| マンギス、マンクット |
| 開花時期 |
| 条件が合えば年2回 |
| 花色・大きさ・花形 |
| 赤と白 |
| 収穫時期 |
| 開花後110日~130日前後 |
| 果実の大きさ |
| 4~8cm |
| 甘さ |
| ★★★★★ 平均糖度:17.6度 |
| 果実の用途 |
| 生食 |
| 結果年数 |
| 5年 |
| 自家結実性 |
| 1本でなる(単為結果する)(メス木なら1本でも単位結実します。雌雄異株ですがメス木だけでも単位結実します。(種から育てるとほぼ99%メス、それも親のクローンになるようで、基本オス木が存在しないとされています)) |
| 最終樹高 |
| 鉢植え:1m ~ 2m (常緑高木) |
| 栽培用途 |
| 鉢植え、観葉植物など |
| 成長の早さ |
| 遅い |
| 植栽適地 |
| 日本全国(原則、鉢植え栽培) |
| 育てやすさ |
|
★☆☆☆☆ 難しい 日照条件:半日陰、土壌酸度:弱酸性 耐寒性弱い(10度)、耐暑性普通 |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:普通 害虫:普通 |
| 花言葉 |
| チャーミング |
マンゴスチン|メスタ 実生ポット苗の育て方
植え方・用土
ph5~6.5の弱酸性土で湿り気のある土壌を好みます。ブルーベリーの土で育てるとよいです。樹高が30cmに満たない若木の内は半日陰で管理してください。強い日当たりでは葉焼けします。耐寒温度は7度くらいまで、18度を下回らないのが理想です。25度以上の環境で成長し、35度以上で弱ります。根が弱いため、植替え時はなるべく崩さないようそっと植え替えます。
水やり
暑い時期は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。常緑樹ですが気温が下がると地上部が枯れ、根の状態で冬越しすることもあります。落葉したり地上部が枯れた場合は、20度以下の場合は3日に一回、15度以下の場合は4日に一回という感じで水やりを控え目に。
肥料のやり方
春~秋にかけて2ヶ月おきに緩効性の肥料を与えてください。
花芽の付き方
小枝の先端に花芽がつきます。3m程度になったら水ストレスで花芽をつけます。
石垣島では10月から11月は水やりは少なめにし、12~1月は土壌は土壌から乾燥する分を補う程度に水やりを行い、土壌乾燥させます。日中に葉がしおれても翌朝には回復する程度の乾燥ストレスをかけ続けます。最先端部の枝の軸がしおれるほど水ストレスをかけ続けて1か月後くらいから水やりの量を増やすと、枝の先端部が割れて丸い花芽が出てきます。水ストレスがきつすぎると落葉しますが、日焼けさせなければ水やりで葉芽が出ます。
2月から水やりを増やしていきます。
剪定方法
特に必要ありませんが、剪定する際は成長期に行います。2~3m程度で主幹を切り戻し、その後は先端部の目はすべて書き取り、下の枝葉を増やすように育ててください。
その他栽培や性質の注意点
収穫まで長い年数がかかります。観葉植物として、大事に育てることをおすすめします。
その他豆知識
マンゴスチンの生産者さんへの質問
Q: 葉先から茶色くなって枯れてきたのですが。
A: マンゴスチン・ドリアン・ランブータンなど、赤道直下で育つ純熱帯果樹は葉先が巻いて茶色くなってくるのは生理現象です。生理現象なので、病害虫や水の与えすぎが原因ではありません。葉先が茶色くなっても取り除いたりする必要はありません。
Q: それにしても高いですね。どうしてこんなに高いのですか?
A: マンゴスチンは苗がほぼ流通しておりません。売り切れたら次はいつご用意できるかはわかりません。種から育てても発芽して苗になるのがとても少なく、栽培がむつかしく歩留まりが悪いんです。また、苗にできても4年生でようやく30cm程度。最初はぜんぜん生長してくれないので、樹齢のわりに大きくならず、生長に時間がかかるので値段も高くせざるをえないのです。
増やし方
接木(フクギを台木にする)、種まき。種を綺麗に洗って1日程度水に漬けます。ピートモスと鹿沼土を混ぜた用土に3cmくらいの深さに植えると1か月くらいで芽吹いてきます。ブログやYoutubeでも発芽成功の情報は少ないです。



