● ブドウ スチューベンの品種の特徴

”マスカットベリーA”をやや小さくしたような感じで、”山ぶどう”の一種です。果皮は紫黒色で、中粒の品種です。1房300g程度の果実になります。香りもあります。果肉はやや柔らかく多汁。糖度が高く、ハチミツに似た甘みが特徴です。皮と果肉の間が甘いので、皮ごと口に頬張って皮を歯でしごくようにして食べると甘みを堪能できます。果皮と果肉の分離は良いです。
耐病性が強く、着色は極めて良好で、裂果しにくく、脱粒しにくく、日持ちも良好です。家庭果樹にも最適です。貯蔵性があります。
寒さに強く暑いのはやや苦手です。

ぶどうは全般に暑さ寒さ、乾燥に強く、北海道から九州まで栽培できます。水はけが良く、通気性の良い土を好み、土質は選びません。
棚仕立てが一般的ですが、フェンス仕立てやあんどん仕立てなど工夫次第で小さな場所でも楽しめます。棚仕立てで広く育てると1本の苗木で300房以上の収穫も可能です。手間をかければいい果実ができ、おなか一杯の収穫が待っています。

米国系2倍。米国系は耐寒性が強く、作りやすいものが多いです。多汁で粒が柔らかいものが多いです。

学名
Vitis labrusca.L. ブドウ科 ブドウ属
別名
すちゅーべん
作出年・作出者
1947年
交配親
ウェイン × シェリダン
開花時期
5月頃
収穫時期
9月上旬 ~ 9月下旬
果実の大きさ
☆☆☆☆小粒 3~5g 豊産性あり
甘さ
★★★★★ 平均糖度:18~23度
果実の用途
生食、赤ワイン、ジュース、ジャム、干しブドウ
結果年数
2~3年
自家結実性
1本でなる(ジベレリン処理を2回、フルメット処理1回で無核化(種なし))
最終樹高
地植え:m 鉢植え:m (落葉つる性)
栽培用途
果樹畑、花壇、鉢植え(7号鉢以上)、庭木、フェンス、トレリス、シェードガーデン
成長の早さ
樹勢は普通 (200cm/年)
植栽適地
東北南部~九州北部
育てやすさ
★★★★☆ 初心者におすすめ
日照条件:日なた、耐陰性やや弱い、
豊産性あり、耐寒性強い、耐暑性やや弱い、耐乾性強い
耐病害虫性
耐病性:強い 害虫:普通
芽吹き時期
5~6月頃
花言葉
陶酔、親切、人間愛

ぶどう
”スチューベン”の育て方


植え方・用土

植えつけに最適な時期は11月~翌年2月頃です。この時期の植え付けでは根を軽くほぐし、根を広げて植えます。それ以外の植え付けでも大丈夫です。3~6月、9~10月の植え付けは根を崩さず、乾かさないように植えます。真夏に植える場合、根を崩さずそっと植え、植え付け直後は毎日水を与えてください。
土質は選びませんが、水はけと通気性の良い土壌を好みます。
鉢植えの用土は当店の花ひろば培養土「和み」がおすすめ。夏場の日中などは日光に当ててあげてください。
地植えでは堆肥を3割、パーライトを3割土に混ぜて土壌改良してください。


水やり

葉が大きいので水の吸い上げも盛んです。露地栽培では雨任せで大丈夫ですが、長く乾燥してから大雨にあうと給食な水の吸い上げによって果粒の膨張しすぎて裂果することがあります。初夏や夏に雨が少ないときは数日に1回水を与えてください。秋冬は水の与えすぎの根腐れに注意してください。


肥料のやり方

土が肥えていれば肥料は控えめにして早めに樹勢を落ち着かせます。有機肥料を与える場合は10月下旬~11月頃に与えます。ブドウの好きなアミノ酸がたっぷり含まれた「ぶどうがおいしくなる肥料」がオススメです。6月以降はマグネシウム欠乏症が起きることがあり、梅雨入り後くらいに天然硫酸マグネシウム肥料を与えるとよいです。ぶどうは窒素分を多く与えると樹勢が強くなりすぎて果実の品質低下になるので、よほど生育が悪い場合を除き、追肥は必要ありません。


花芽の付き方

ぶどうは若い柔らかな枝に養分が蓄積され、前年伸びた枝の葉腋のほとんどに花芽を含む混合芽がつきます。春になると、混合芽からつるが伸びて、つるの基部から3節目くらいに2~4の花房が咲きます。前年の貯蔵養分が不足していたりすると花芽がつかなかったり、花ぶるいします。
また、剪定や芽かきの強弱、窒素肥料の多少によってつるの勢いが左右されやすく、
つるの勢いが強すぎると受精(この場合は樹勢ではなく受精)が悪くなって果粒が落花する花ぶるいがおきます。前年の養分を蓄積させるために秋遅くまで葉が茂るようにすることや、窒素過多にならないようにすること、芽かき量を減らして樹勢が落ち着くようにするなどで花ぶるいを予防してください。


剪定方法

日本では棚仕立てが多いです。高温多湿で春から秋にかけて雨が多い日本では、ぶどうは雨の跳ね返りや雨が原因で病気になりやすいので、なるべく地面から遠いところで果実をならせるために棚仕立てが一般的になりました。



ヨーロッパ地方は比較的雨が少なく空気も乾燥しているので病気が少ないことから、ヨーロッパやアメリカなどでのブドウ栽培は生垣仕立てが多いです。
日本国内でも生垣仕立てもできます。生垣仕立てですと、果実が低い位置になるので収穫しやすく、ベランダや狭いお庭でもブドウ栽培に挑戦できます。




その他栽培や性質の注意点

1本の新梢に4~5個花房ができます。小粒品種は花ぶるいは少ないですが、全部ならせると果実の肥大も遅れ、来年の花芽も充実しなくなるので、棚仕立てでは50cm前後の弱い枝は新梢にはならせず、1mくらいの枝で1房、2mの強い枝には2房を目安に摘房します。フェンス仕立てでは縦に伸ばすツル1本に1房。ならせなかった枝は翌年の着枝にします。

ジベ処理しない場合、花ぶるいしないように房づくりをします。時期は花穂が伸び切ったころ、花が1~2輪咲いたころに房づくりします。房尻は1~1.5cm程度切り詰めます。
その後、花ぶるいして着果が粗い房や粒に偏りがある房、粒がつきすぎて摘粒の手間がかかりそうな房は摘房して、摘粒の手間を減らします。


種無しの場合の房づくりはデラウェアの房づくり・摘粒と同じです。ジベレリン処理までに房づくりを済ませます。
1回目は満開予定日の14日前にジベレリン100ppmで浸漬処理します。満開予定日の 14 日前は展葉 10~11 枚(中庸な母枝の第2新梢)が目安です。2回目は満開10日後ジベレリン100ppm処理すれば肥大促進になります。
着粒安定と果粒肥大促進のためのフルメット処理は1回目のジベ処理の時に2~5ppm、2回目のジベ処理の際に5~10ppmをジベレリンに加えて使います。

摘粒は不要ですが、過度に密着した場合は2回目のジベ処理後早い時期に房を縦方向に1列、もしくは2列、筋状に果粒を取り除いてください。摘粒は1房300gを目指す場合、最終的に65粒が目安です。


その他豆知識

詳しいブドウの育て方はこちら


病害虫の予防法

雨で黒痘病が出やすくなるのと、裂果を防ぐために雨除け栽培をおすすめします。




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