園芸店の植物管理のうんちく。
苗木部部長の高井尽です。
植物管理のうんちくをお届けします。
9月になってようやく涼しくなってきましたね。
ちょうど今の時期はコガネムシのベビーラッシュの季節です。
念の為、コガネムシがどんな昆虫かご存じない方もいると思います。
写真をお見せします。
ちっ
ちっ
ちっ
っぽーーーん。
答えは真ん中!(左はハナムグリ、右はカナブンです)
コガネムシは全体が丸っこく体全体に産毛が生えています。
左のハナムグリは体に点々模様があり、右のカナブンは全体的に角ばった形をしています。この2種は園芸品種に特に害はなく、土壌形成に寄与しています。
コガネムシの幼虫は乳白色で背中が曲がったイモムシ状で別名:ジムシ、ネキリムシとも呼ばれています。根を食害して、ひどいときには苗を枯らしてしまいます。
成虫はといえば葉を網目のように食い荒らしてしまう、親子ともども庭木の天敵です。
左から、まるまる太った幼虫で、真ん中が成虫、右が成虫の食害にあったキウイの葉です。
夏は仕事帰りにコンビニに寄ると、コンビニの入り口の自動ドアの下に成虫がゴロゴロいました。
成虫は夜行性で夜にブンブン飛来して食害したり、堆肥や腐葉土、培養土などの肥沃な土壌に産卵します。
そして、卵は8月下旬に孵化します。
たまたま、先日孵化したばかりのコガネムシの赤ちゃんを見つけたので、写真を撮りました。
孵化した幼虫は腐葉土や堆肥、根を食べて育ち、カブトムシの幼虫の小さい感じに育っていきます。
若い苗木でコガネムシの幼虫が大量に発生してしまい、根を大幅に食害されていくと、根はなくなり、植物は突然枯れ始めます。
やっかいなのは、土中で育つのでコガネムシの幼虫は発見がおくれること。
枯れ初めてようやく害虫被害に気づくことです。
卵から孵化したばかりの幼虫は薬が最も効きやすいです。
今の時期はコガネムシを一網打尽にできます。
薬剤が使える植物の場合は、土中害虫を駆除する、ダイアジノンやオルトラン粒剤、カルホスなどを表土に撒いて、コガネムシの幼虫を全滅させておいてください。
今の時期がいちばんダイアジノンが効く季節です。
あいにく、キウイなどの果樹を適応植物に含めているコガネムシ駆除の薬剤をまだ見つけることができません。農薬の適応植物の登録申請に時間やお金がかかるため、登録できていないものが多いようです。
農薬取締法上、適応植物ではない植物にその農薬を使用した場合の効果や安全性に国のお墨付きがないわけなので、オススメはできません。
土中害虫を駆除する薬剤を使えない場合は、成虫を駆除したり、株周りを不織布などで覆うなどして、産卵をさせない工夫をしていただくのが一番です。
鉢土の表土を覆ってコガネムシの産卵予防!!
カバーは水は通すので水やりしても安心です。
コガネムシのベビーラッシュです。
今の時期にコガネムシを駆除してしまいましょう。
園芸って素晴らしいです。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました!
苗木部 部長 高井尽(たかいつくす)