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地球温暖化を止める方法。【苗木部通信 第118号】

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園芸店の植物管理のうんちく。

苗木部部長の高井尽です。
植物管理のうんちくをお届けします。

何年ぶりでしょうか。
こんなに雨が多い夏は。
ただの記憶ではありますが、大学2年生のときの夏は雨ばかりでした。近所の長島スパーランドのジャンボ海水プールで監視員のアルバイトをしていたので、雨で休みが多かったので覚えています。冷夏で雨が多かったです。

昨年の8月は雨が全然ふりませんでした。
その前の年も猛暑だったと思います。毎年、猛暑猛暑で温暖化。
今年は大雨、異常気象で温暖化。
気候変動を肌で感じてしまっています。
この気候変動をなんとか食い止めれないかなと思っています。

私は22~27歳(1995年~2000年)のほとんどを外国で過ごしました。土木建設会社に就職して、海外のダムや港湾工事、水力発電所の開発工事に行っていました。
東南アジアに長くいて、インドネシアに3年とか、フィリピンにいたり、インドも旅したり、タイやシンガポールにも何度か行きました。アフリカのケニアでも10ヶ月暮らしました。
日本の夏のほうが東南アジアよりも暑いと強く感じます。
子供の頃の夏って、今ほど暑くなかったです。


雨季のバンコクのスコールのような雨が、日本でも降るようになったと思います。
インドネシアの雨季は、夕方から夜には遠くの空を見ると、雲のなかで雷がピカピカ光っていました。ここ数年の日本の夏でも、遠くの空で雷がピカピカ光ってるのを見かけるようになりました。
今の日本は亜熱帯か熱帯気候になってきているように感じます。
どおりで、パパイヤやマンゴー、バナナやパッションフルーツの苗木も売ってるわけだなと。今ふと思いました。

15年くらい前から、シマトネリコとという常緑樹がよく売れるようになりました。シマトネリコは確かマレーシアか東南アジア原産の常緑樹で寒さが苦手です。洋風に合う常緑樹で、最近でもシンボルツリーによく植えられています。

10年くらい前まではシマトネリコは冬には寒さで落葉してしまうことが多く、「常緑樹なのに枯れてきた」とよく苦情を頂く植物でした。なので、耐寒性の強い選抜種のシマトネリコを中心に販売をしておりましたが、今では、普通のシマトネリコでも冬の落葉が少なくなってきました。
同じように、常緑樹ヤマボウシ(ホンコンエンシス)も冬の苗木は落葉が多くて苦情が多かったのですが、近年はそのような苦情はないです。ホンコンエンシスというだけあって、南国からやってきた常緑性のヤマボウシです。

植物の販売をしていて、ふと、昔と今では販売環境が変わっているのを思い出しました。
冬の寒さが減ってきて、夏は猛暑。
ゲリラ豪雨や線状降水帯。子供のころは聞いたこともなかった天気の名前を聞くようになりましたよね。
やはり、地球規模の環境変化が起きています。
天気や気候は少しずつ少しずつ変わっていきます。
20年前は森林だった場所に住宅地が造成されて、私もそこの分譲の宅地を買って住んでいます。その近くの竹やぶに、数ヶ月前から重機が入ってまた森林を削って造成工事が始まっています。


会社の近くの数年前まで山林だったところは広大な工業団地ができました。少し離れた山も削られて、大きな病院を建設中です。今も近くの山林の掘削工事が会社からも見えます。
森林が減って餌に困ったからか、猿たちを見かける事が増えました。
造成された土地に私も家を買って住んでいる手前、山林の緑を破壊するのはけしからん!とまでは思いません。でも、別のことでこの地球温暖化なのか、環境変化をもう少し安心できるようにしたいなと、思っております。

植物は花や緑で生活を豊かにするだけでなく、二酸化炭素を吸収します。
とりわけ、苗木は管理次第で人間よりも長く生きます。

そんな苗木を当店から東京や北海道、沖縄、九州など全国に運ぶには、トラックや飛行機、船で宅急便輸送をします。その際の輸送では二酸化炭素を排出しています。

二酸化炭素の排出量を削減する取り組みや、省エネへの取り組み、森を増やし砂漠化を止める取り組みが世界的に進められているなかで、苗木を輸送する費用はなんとか無料、タダにならないかと考えています。

植物宅配料金全国無料

二酸化炭素を吸収する植物を全国に配達する費用がタダになったら、個人の消費者の方々が家に植える植物を増やしていただけるのではないかと思います。
当店の苗木だけでなく、通信販売で流通する全国の苗木の輸送はすべて無料になったら・・・・。

全国に植えられる植物が増え、花や緑が日本中にあふれるのではないかと思ったのです。
実は12年以上前に、そんなことを思いついて、ヤマト運輸さんにお願いをしたことがありました。

そのときに書いたブログ記事がこれです。
https://shop.plaza.rakuten.co.jp/hana-online/diary/detail/200902120000/

そして、ヤマト運輸の社長あてに手紙を書きました。
そのときに書いたブログ記事がこれです。

https://shop.plaza.rakuten.co.jp/hana-online/diary/detail/200902130000/

手紙を投函したらこうなりました。ブログ記事がこれです。
https://shop.plaza.rakuten.co.jp/hana-online/diary/detail/200902160001/

その後、植物が吸収する二酸化炭素量について、いろいろ調べてみました。

1本の木がどれくらいの二酸化炭素を吸収するのか?
樹種ごとに、大きさごとにどれくらいの二酸化炭素を吸収するのか?

調べてみると、トヨタ自動車さんとか、学校や環境省など、いろんな大手さんの情報がありました。


※トヨタ自動車さんのホームページから抜粋。

森林が大気中の二酸化炭素を吸収するという最近の話題に対応できます。森林がいくら沢山二酸化炭素を吸収したとしても、それが植物体として溜め込まれないと意味がありません。したがって、肝心なのは植物体増加量なのです。

(中略)

原生林のような成熟した森林では、毎年純生産量に近い量が枯死脱落し、植物体増加量はゼロに近づきますので、炭素固定に働くのは植物体増加量の大きい未成熟の若い林、ということになります。

https://www.toyota.co.jp/jp/social_contribution/forest_of_toyota/eco_monitoring/sp/forest_page3.html

私にはこの意味を理解するのに、数時間かかりました。


でも、理解しました。


植物は光合成をして自分自身の植物体の質量を大きくします。その際に二酸化炭素を吸収して、つまり、炭素を固定します。

つまり、肝心なのは、二酸化炭素吸収に役立っているのは、育っていく植物。

植物個体が大きくなっていく分=二酸化炭素吸収量

つまり、植物を大きく育てることが、二酸化炭素吸収に貢献しているということだとわかりました。

その後、ヤマト運輸の偉い人たちが来てくださり、いろいろ説明や資料を見せてお話しましたが、結局やんわり植物全品送料無料はお断りされました。
そのときに書いたブログ記事がこれです。
https://shop.plaza.rakuten.co.jp/hana-online/diary/detail/200902270000/

あれからかれこれ12年。

出荷数は当時よりも多少は増えましたが、送料負担も増えています。何もできていないです。。。地球温暖化は着々と進んでいるように感じます。

環境は変化していきます。

と、ここまで書いて、苗木を育てることを応援する以外は何もできていないのに、大昔にやった過去の栄光みたいなことを今更書いて偉そうにしているのもダメだなと思っています。

植物が育つと、その分だけ二酸化炭素を吸収してくれます。

植物が大きくなった分だけ、二酸化炭素を削減できているわけなので、園芸や農業、果樹栽培で植物を少しでも大きくできるようにしてみましょう。

と、苗木部の部員さんたちにお伝えして、雨が止むのを待ちましょう。

園芸って素晴らしいです。

苗木部 部長 高井尽(たかいつくす)

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