
● ロスサポテ ロスサポテの品種の特徴
鮮やかな黄色の果肉は、甘く濃厚でクリーミー。カニステルによく似ながら、よりしっとりとした食感が評価される「ロス・サポテ」。分類について今なお議論のある、コレクション性の高い熱帯果樹です。アカテツ科Pouteria属の常緑果樹です。中米原産とされ、特にコスタリカから導入された系統が栽培されるようになったことで知られています。
この植物について最初に触れておきたいのが、分類です。
ロス・サポテは長い間、カニステル(Pouteria campechiana)とは異なる植物として扱われることがあり、Pouteria sp.、あるいはPouteria campechianaとは近縁な別種ではないかと考えられてきました。
一方、その形態はカニステルに非常によく似ており、現在ではカニステルの一系統、あるいは極めて近縁な植物として扱われることもあります。
そのため、ここでは分類を断定せず「Pouteria sp. ‘Ross Sapote’」として紹介します。
最大の魅力は、その果実です。
果実は丸形~卵形で、成熟すると鮮やかな黄色~橙黄色になります。外見はカニステルによく似ていますが、比較的丸みを帯びた果実を付けます。
果実を切ると、中には鮮やかな黄色の果肉。
完熟した果肉は非常に甘く、濃厚でクリーミーです。
カニステルは「エッグフルーツ」と呼ばれるように、完熟してもゆで卵の黄身やサツマイモを思わせる粉質感が特徴です。それに対してロス・サポテは、より滑らかでしっとりとした食感を持つものとして評価されています。
この食感の違いこそ、ロス・サポテを育てる大きな理由の一つです。
甘味は強く、カスタードやサツマイモ、カボチャなどを思わせる濃厚な風味があります。完熟果はそのままスプーンですくって食べられるほか、ミルクなどと合わせてシェイクやデザートに利用するのも向いています。
ただし、カニステル類は食べ頃が非常に重要です。
果実が硬い状態では本来の食感や甘味を楽しめません。収穫後、果肉が十分に柔らかくなるまで追熟させてから食べます。
樹は常緑の小高木となり、光沢のある細長い葉を茂らせます。
熱帯果樹としては比較的育てやすく、高温期にはよく成長します。日当たりの良い環境を好み、十分な日照を確保することで健康な樹に育ち、将来的な開花・結実も期待できます。
用土は水はけの良いものを使用します。
生育期には十分に水を与えますが、常に鉢内が水浸しになるような状態は避けます。一度ある程度成長した株は短期間の乾燥にも対応できますが、鉢植えでは極端な水切れを繰り返さない方が安定します。
耐暑性は非常に高く、日本の夏には旺盛に成長します。
一方で耐寒性は高くありません。暖かい地域の果樹ですので、小苗では特に霜や凍結を避けます。日本では沖縄など一部地域を除き、鉢植えで育てて冬季は温室や室内へ取り込む管理が安全です。
ロス・サポテの面白さは、単に「珍しいサポテ」というだけではありません。
見た目はカニステルによく似ている。
分類上も非常に近い。
しかし、実際に果実を食べると、その食感や風味には独自の魅力がある。
さらに、その正確な分類についても議論が続いています。
植物をただ収穫するだけではなく、「これはカニステルなのか、それとも別のPouteriaなのか」と考えながら育てられるのも、この果樹ならではの楽しみです。
黄色く熟した果実を割り、濃厚でクリーミーな果肉を味わう。
カニステルが好きな方はもちろん、世界各地のPouteria属を食べ比べてみたい方にもおすすめしたい、非常に興味深い熱帯果樹です。
| 学名 |
| Ross Sapote アカテツ科 アカテツ科属 |
| 花色・大きさ・花形 |
| 黄緑・(1cm位) |
| 収穫時期 |
| 9~11月 |
| 果実の大きさ |
| 豊産性あり |
| 甘さ |
| 平均糖度:20~30度 |
| 果実の用途 |
| 生食、ペースト |
| 結果年数 |
| 2~4年 |
| 自家結実性 |
| (1本で結実した栽培例もありますが、ブラックサポテには自家不和合性を示す系統があるため、確実な結実を目的とする場合は別品種を近くに植えることをおすすめします。) |
| 最終樹高 |
| 鉢植え:1m ~ 2m (常緑高木) |
| 最終葉張り |
| 2m ~ 10m |
| 栽培用途 |
| 鉢植え、温室、コレクション、観葉植物 |
| 成長の早さ |
| 樹勢は普通 (40cm/年) |
| 植栽適地 |
| 関東地方~沖縄(鉢植えでなら全国で栽培可能) |
| 育てやすさ |
| ★★★☆☆ 初心者におすすめ 日照条件:日なた、土壌酸度:中性 豊産性あり、耐寒性弱い(5度)、耐暑性強い |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:ほとんどつかない 害虫:ほとんどつかない |
ロスサポテ|実生苗の育て方
植え方・用土
土質を選ばず瘦せ地にも強いので、水はけ・日あたりの良い土壌ならどこでも育ちます。鉢植えでも大丈夫です。花ひろば培養土「和み」にパーライトを少しすきこんだ土に浅めに植え付けします。耐寒性はないため、寒冷地では防寒対策が必要です。
水やり
土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。真夏は乾きやすいので、回数を多めにしてください。
肥料のやり方
2月ごろに寒肥として油かすと腐葉土や堆肥を株周りに穴を掘り与えます。
肥料が切れると葉色が薄くなります。
剪定方法
基本的に不要です。気になる場合は暖かい時期に行います。大きくなりすぎないよう、定期的に間引き剪定をし、枝を横に伸ばすように仕立てます。
その他豆知識
押せばへこむほど柔らかくなったら食べごろです。
