
● マンゴスチン マドルノの品種の特徴
「マドルノ・マンゴスチン」は黄色くゴツゴツとした果皮を割ると、中にはマンゴスチンを思わせる白い果肉。爽やかな甘酸っぱさを楽しめることから「レモンドロップ・マンゴスチン」とも呼ばれる、中南米原産の食用ガルシニアです。オトギリソウ科(フクギ科)Garcinia属の常緑果樹で、中米から南米北部にかけて広く分布し、熱帯雨林を中心とする湿潤な環境に生育します。
本種の最大の魅力は、やはり果実です。
果実は卵形~楕円形で、成熟すると鮮やかな黄色になります。大きさはおよそ5~8cm。表面は滑らかではなく、細かな凹凸があり、黄色い小型の柑橘類のようにも見える独特な姿をしています。
しかし、果実を割ると印象が大きく変わります。
黄色い果皮の中に入っているのは、マンゴスチンを思わせる白色の果肉です。
いくつかの房に分かれた白い果肉が種子を包んでおり、この構造を見ると、本種がマンゴスチン(Garcinia mangostana)と同じGarcinia属であることがよく分かります。
果肉はもちろん食用です。
味は甘味と酸味のバランスが良く、ジューシーで爽やか。マンゴスチンの濃厚な甘さとは少し方向性が異なり、柑橘類を思わせるような酸味を伴います。
完熟果はそのまま生食できるほか、ジュースやジャム、ゼリーなどに加工することもできます。
樹は自然下では10mを超えることがあり、条件によっては20m前後に達する常緑高木です。
葉は厚みのある濃緑色で、枝いっぱいに茂ります。Garcinia属らしい整った樹形になるため、果実だけでなく常緑の観賞樹としても魅力があります。
成長速度はGarcinia属の中では比較的良好です。
マンゴスチンは幼苗期の成長が非常に遅いことで知られていますが、G. madrunoはそれと比較すると育てやすく、条件が良ければ順調に樹高を伸ばします。
自生地では年間を通して湿度の高い熱帯環境に生育します。
そのため、乾燥を好む植物ではありません。生育期には十分な水分を与え、極端な水切れを避けます。特に小さな苗では乾燥によって生育が止まりやすいため注意してください。
一方、鉢植えでは常に水没するような環境は避け、有機質を含みながら排水性も確保された用土を使用します。
幼木のうちは明るい半日陰でもよく育ちます。成長に伴って徐々に日照へ慣らし、結実を目指す成熟株では十分な光を確保すると良いでしょう。
耐暑性は非常に高く、日本の夏季には旺盛な成長が期待できます。
一方、耐寒性はそれほど高くありません。
マンゴスチンより多少低温に対応できる可能性はありますが、基本的には熱帯果樹です。特に幼苗では霜や凍結を避け、日本では沖縄など一部地域を除いて鉢植えや温室での越冬が安全です。
紫色のマンゴスチンとは、まったく違う姿。
鮮やかな黄色で、表面はゴツゴツ。
ところが割ってみると、中から現れるのはマンゴスチンを思わせる真っ白な果肉。
そして食べれば、甘さの中に爽やかな酸味が広がります。
マンゴスチンだけでは分からないGarcinia属の果実の多様性を、育てて、収穫して、実際に味わうことのできる、中南米の魅力的な熱帯果樹です。
| 学名 |
| Garcinia madruno フクギ科 フクギ属 |
| 別名 |
| マンギス、マンクット |
| 花色・大きさ・花形 |
| 淡黄色 |
| 収穫時期 |
| 開花後110日~130日前後 |
| 果実の用途 |
| 生食 |
| 結果年数 |
| 5年 |
| 自家結実性 |
| 1本でなる(単為結果する)(メス木なら1本でも単位結実します。雌雄異株ですがメス木だけでも単位結実します。(種から育てるとほぼ99%メス、それも親のクローンになるようで、基本オス木が存在しないとされています)) |
| 最終樹高 |
| 鉢植え:1m ~ 2m (常緑小高木) |
| 栽培用途 |
| 鉢植え、温室、コレクション、観葉植物 |
| 成長の早さ |
| 遅い |
| 植栽適地 |
| 日本全国(原則、鉢植え栽培) |
| 育てやすさ |
| ★☆☆☆☆ 難しい 日照条件:半日陰、土壌酸度:弱酸性 耐寒性弱い(10度)、耐暑性普通 |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:普通 害虫:普通 |
| 花言葉 |
| チャーミング |
マドルノ・マンゴスチン| 実生苗の育て方
植え方・用土
ph5~6.5の弱酸性土で湿り気のある土壌を好みます。ブルーベリーの土で育てるとよいです。樹高が30cmに満たない若木の内は半日陰で管理してください。強い日当たりでは葉焼けします。耐寒温度は7度くらいまで、18度を下回らないのが理想です。25度以上の環境で成長し、35度以上で弱ります。根が弱いため、植替え時はなるべく崩さないようそっと植え替えます。
水やり
暑い時期は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。常緑樹ですが気温が下がると地上部が枯れ、根の状態で冬越しすることもあります。落葉したり地上部が枯れた場合は、20度以下の場合は3日に一回、15度以下の場合は4日に一回という感じで水やりを控え目に。
肥料のやり方
春~秋にかけて2ヶ月おきに緩効性の肥料を与えてください。
花芽の付き方
小枝の先端に花芽がつきます。3m程度になったら水ストレスで花芽をつけます。
石垣島では10月から11月は水やりは少なめにし、12~1月は土壌は土壌から乾燥する分を補う程度に水やりを行い、土壌乾燥させます。日中に葉がしおれても翌朝には回復する程度の乾燥ストレスをかけ続けます。最先端部の枝の軸がしおれるほど水ストレスをかけ続けて1か月後くらいから水やりの量を増やすと、枝の先端部が割れて丸い花芽が出てきます。水ストレスがきつすぎると落葉しますが、日焼けさせなければ水やりで葉芽が出ます。
2月から水やりを増やしていきます。
剪定方法
特に必要ありませんが、剪定する際は成長期に行います。2~3m程度で主幹を切り戻し、その後は先端部の目はすべて書き取り、下の枝葉を増やすように育ててください。
その他栽培や性質の注意点
収穫まで長い年数がかかります。観葉植物として、大事に育てることをおすすめします。
その他豆知識
マンゴスチンの生産者さんへの質問
Q: 葉先から茶色くなって枯れてきたのですが。
A: マンゴスチン・ドリアン・ランブータンなど、赤道直下で育つ純熱帯果樹は葉先が巻いて茶色くなってくるのは生理現象です。生理現象なので、病害虫や水の与えすぎが原因ではありません。葉先が茶色くなっても取り除いたりする必要はありません。
Q: それにしても高いですね。どうしてこんなに高いのですか?
A: マンゴスチンは苗がほぼ流通しておりません。売り切れたら次はいつご用意できるかはわかりません。種から育てても発芽して苗になるのがとても少なく、栽培がむつかしく歩留まりが悪いんです。また、苗にできても4年生でようやく30cm程度。最初はぜんぜん生長してくれないので、樹齢のわりに大きくならず、生長に時間がかかるので値段も高くせざるをえないのです。
増やし方
接木(フクギを台木にする)、種まき。種を綺麗に洗って1日程度水に漬けます。ピートモスと鹿沼土を混ぜた用土に3cmくらいの深さに植えると1か月くらいで芽吹いてきます。ブログやYoutubeでも発芽成功の情報は少ないです。
