
● 椿 炉開きの品種の特徴
炉開きの葉はお茶の葉にそっくり。微弱ですが花にも茶の花に似た香りがあります。木の姿も、お茶の木に似ています。
花は早咲きで、冷夏で蕾の生育が早いと8月末に開花します。開花は9~11月の秋が主体ですが、春にもちらちらと咲きます。4cm程度の小さな淡いピンク色の花を咲かせます。花弁は5~6枚で、茶の遺伝子のせいか整った花になりません。庭植えや鉢植えのほか茶花としても愛されてきました。
1972年頃新潟県栃尾市の民家より甲政治が採集し1980年加藤英世が命名・発表しました。「炉開き」という名は茶道で風炉から炉の季節に変わるこの時期にちなんだもの。ユキツバキと茶の自然交配雑種とされてきましたが、2003年にDNAマーカーによる解析の結果として、種子親がヤブツバキ、花粉親がチャであると発表されました。
椿(つばき)は欧米でもオリエンタルな人気があり、世界中で愛されている花木です。
花のない時期に美しい花を咲かせます。和風なイメージがありますが、花色の工夫次第で洋風ガーデンにもよく合います。花の重みで枝が枝垂れるように咲く品種が多いです。
切花でも楽しめ、茶花や一輪挿しにも使えます。
| 学名 |
| Camellia ツバキ科 ツバキ属 |
| 作出年・作出者 |
| 1980年 (新潟県・・加藤英世) |
| 交配親 |
| ヤブツバキとチャの交雑種 |
| 開花時期 |
| 9~4月頃 |
| 花色・大きさ・花形 |
| ピンク・極小輪咲き(4cm位)・一重平開咲き |
| 最終樹高 |
| 地植え:m ~ 2m 鉢植え:m ~ 2m (耐寒性常緑低木) |
| 最終葉張り |
| m ~ 2m |
| 栽培用途 |
| 鉢植え、生垣、庭植え、盆栽、寄せ植え、畑、目隠し、低めの生垣、ボーダー |
| 成長の早さ |
| 樹勢が強い |
| 植栽適地 |
| 関東~沖縄(鉢植えでなら全国で栽培可能) |
| 育てやすさ |
| ★★★☆☆ 育てやすい 日照条件:日なた~半日陰、耐陰性強い、 耐寒性強い、耐暑性強い |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:強い 害虫:ほとんどつかない |
| 花言葉 |
| 追憶、純愛 |
茶椿(ちゃつばき)|炉開き(ろびらき)の育て方
植え方・用土
基本的に移植や植え付けが最適な8月~11月と2月~入梅までに行います。
水はけの良い、肥沃な土壌に高植え植えます。
日当たりと風通しの良い場所を好みますが、少々日陰でも良く育ちます。
水やり
鉢植えでは夏場は毎日行ってください。それ以外の時期については、土の表面が乾いていたら、たっぷり与えてあげてください。
地植えの場合は初めての夏を超えてからは水やりは雨任せにして育てます。
肥料のやり方
1月ごろに寒肥として油かすを与えます。
開花後にお礼肥えとして油かすと化成肥料を二握り程度与えます。
剪定方法
強い剪定はあまりおすすめできません。放任して育てたほうが花がよく咲きます。
枝を間引く程度で通風と採光を良くする剪定にします。
庭植えなどで、コンパクトに育てる場合は剪定は花後すぐに行います。
その他豆知識
ツバキもサザンカも乾かすと花つきが悪くなります。
ツバキは冬に乾燥させてしまうと、サザンカは夏に乾燥させてしまうと、花が上がらなくなるか、蕾が乾燥して死んでしまいます。水切れしたときは真っ先に蕾からやられてしまいます。西日が照りつけて良く乾く場所や、風の通り道など乾燥しやすいです。株元を敷き藁や何かで覆うなどのマルチングして防止しましょう。
ツバキの場合は日照不足で花つきが落ちる場合があります。日照を改善してやると咲いてくるようになります。
他には鉢植えの場合は4~5年すると根づまりして咲かなくなることがありますので、その場合は植え替えをして下さい。
病害虫の予防法
初夏のもち病はダコニールを用いて駆除、チャドクガは捕殺するか殺虫剤で駆除します。
病害虫が発生したらそのつど消毒を定期的に散布します。
