
● オオヤマレンゲ オオバオオヤマレンゲの品種の特徴
一般的に「オオヤマレンゲ」の名で流通し、鑑賞用に栽培されるものは、基亜種のオオバオオヤマレンゲ(大葉大山蓮華、学名:Magnolia sieboldii subsp. sieboldii)です。当店でもオオバオオヤマレンゲを「オオヤマレンゲ」の呼称で販売します。
オオヤマレンゲの丸く膨らんだ蕾は真っ白な卵のよう。蕾は茶花として人気があり、茶の世界では古くからギョクセイと呼んで親しまれてきました。利休七選花のひとつに数えられます。咲けば大きくて香りがあるので、茶花としての好みは分かれます。花径は7~10cmくらい。花の中心の雄しべの葯は紫赤色で、花は横向き、もしくは下向きに咲きます。ウケザキオオヤマレンゲと区別するため横咲きと名称に書くことがあります。
日本に自生する雄蕊の葯が黄色い在来のオオヤマレンゲ(学名:Magnolia sieboldii subsp. japonica)と比べて若干暑さに強いです。樹高は最大でも背丈を少し超える程度です。幹や枝は細く、圧迫感がないので、狭い庭にもおすすめです。
以下はオオヤマレンゲ各種の共通の特徴です。
オオヤマレンゲは南国をイメージさせるトロピカルで香りの良い花が魅力です。初夏の頃、天女花と言われるほどの、白く優雅で美しい花が咲きます。花が4日ほどと短いのがやや残念。新芽は銀色に輝き、展開すると大きく開きます。山間部では美しい紅葉を見せてくれますが、乾燥した環境だとあまり美しい紅葉は期待できません。
| 学名 |
| Magnolia sieboldii subsp. sieboldii モクレン科 モクレン属 |
| 別名 |
| ギョクセイ |
| 開花時期 |
| 5~7月頃 |
| 花色・大きさ・花形 |
| 白・大輪咲き(10cm位)・横咲き |
| 香りの強さ |
| モクレンの香り |
| 最終樹高 |
| 地植え:1m ~ 2m 鉢植え:1m ~ 2m (耐寒性落葉低木) |
| 栽培用途 |
| シンボルツリー、花壇、庭木、茶花、切り花、地植え、鉢植え |
| 成長の早さ |
| やや早い |
| 植栽適地 |
| 東北地方~九州 |
| 育てやすさ |
| ★★★★☆ 初心者におすすめ 日照条件:日なた、 耐寒性強い、耐暑性強い、耐乾性やや弱い |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:強い 害虫:強い |
| 花言葉 |
| 永遠の愛 |
大山蓮華 オオヤマレンゲの育て方
植え方・用土
基本的に植え付けは10月~入梅までに行います。寒い地方では春植えします。日当たり~明るい半日陰で、やや湿り気のある肥沃な土を好みます。乾燥地や痩せ地では花が咲きにくくなります。花ひろば堆肥極みや完熟の腐葉土を多めにすきこんだ土に浅めに植え付けします。根が粗くて活着しにくいので、植え付け時は支柱を取り付けて横揺れ予防をしてください。
鉢植えでも大丈夫です。水もちの良い果樹の土で植えるのがおすすめです。
水やり
雨が当たるような場所であれば、特に必要ありません。よほど雨が降らなかったり、乾燥する場所ではたっぷりと与えます。鉢植えは土が乾いたら与えます。
肥料のやり方
2月ごろに寒肥として油粕と腐葉土や花ひろば堆肥“極み”を株周りに穴を掘り与えます。
花芽の付き方
その年に伸びた枝に咲きます。
剪定方法
台木はホウノキなので、台木から伸びる株もとの新芽は早めに掻き取ります。
剪定はあまり必要ありません。剪定には弱く、強い剪定をすると樹形が悪くなります。無駄枝を剪定する程度にとどめ、落葉期に行います。真冬の剪定は避けます。木を小さくする場合、花後に行います。
病害虫の予防法
病害虫はあまり心配いりません。露地植えして株が育つと虫がついたことはないですが、小さい苗など力不足の場合は虫がつくこともあります。発生したら消毒します。
