
● 柑橘 清見オレンジの品種の特徴
清見(きよみ)は「宮内早生温州」と「トロビタオレンジ(みやがわわせ×トロビタオレンジ)」を交配して作られた国内初のタンゴール類の品種です。
形は楕円を立体にした扁球形で、温州みかんよりもひと回り大きいか同じくらいです。温州みかんの味にオレンジの香りが合わさった、まさに温州みかんとオレンジのいいところを併せ持った果物です。
皮はオレンジの感じとよく似ていますがオレンジよりは剥きやすいと言う程度です。
果肉には種子が2~3個入ることもありますが、おおむね種無しです。 果汁が豊富でやわらかくてとてもジューシー、 甘さと酸味のバランスがほどよく調和している品種です。
ハウス物より露地物の方が概して味が濃く、果汁も豊富だと言われています。露地栽培の場合、「越冬収穫」をします。樹上で越冬させるために一つずつ袋がけをします。これは非常に手間のかかる作業ですが、樹上で完熟させることでより甘く、おいしくなるそうです。
枝が下垂しやすいです。
ほとんどの苗にはトゲはないのですが、まれに1~2本、1cmくらいのトゲがある清見がいます。エイジング(生長するにつれ)でトゲはなくなります。
一本でも実がつく品種が多いのが嬉しい柑橘類。お庭に一本カンキツの木があるだけで、家庭果樹の楽しみを満喫できます。初夏に咲く可愛らしい白い花や甘い香りも素敵です。
苗木は定期的に殺虫剤などの農薬散布をしております。
【タンゴールの特徴】
温州ミカンとオレンジの交雑種。
| 学名 |
| Citrus unshiu × sinensis ミカン科 ミカン属 |
| 別名 |
| 清見タンゴール、清見みかん、清美 |
| 作出年・作出者 |
| 1949年 (日本・農研機構果樹研究所) |
| 交配親 |
| 宮内早生温州×トロビタオレンジ |
| 開花時期 |
| 5月 |
| 花色・大きさ・花形 |
| 白・小輪咲き(2.5cm位)・一重 |
| 香りの強さ |
| ★★★★★ 強香 甘い |
| 収穫時期 |
| 2月下旬~4月中旬 |
| 果実の大きさ |
| ★★★☆☆ 小中果 200g~250g 豊産性普通 |
| 甘さ |
| 平均糖度:11~12度 |
| 果実の用途 |
| 生食 |
| 結果年数 |
| 3~5年 |
| 自家結実性 |
| 1本でなる |
| 最終樹高 |
| 地植え:2m ~ 2.5m 鉢植え:1m ~ 2m (常緑高木) |
| 最終葉張り |
| 2m ~ 3m 開帳性 |
| 栽培用途 |
| 果樹畑、花壇、鉢植え(7号鉢以上)、庭木、記念樹 |
| 成長の早さ |
| 樹勢が強い |
| 植栽適地 |
| 関東~九州 |
| 育てやすさ |
| 初心者に超おすすめ 日照条件:日なた、 耐寒性普通(-5度)、耐暑性強い |
| 耐病害虫性 |
| 耐病性:強い 害虫:普通 |
| 芽吹き時期 |
| 5月頃 |
| トゲの大きさ |
| なし |
みかん|清見オレンジ 1年生接木苗の育て方
植え方・用土
3~4月ごろが植え付け適期です。暖地で2年生以上の苗は冬の植え付けも可能です。
鉢植えは年中植え替えできます。
冬の北風の当たらない、日当たりの良い場所が栽培適地です。日当たりが良いと果実がおいしくなります。 鉢植えの場合でも、冬の寒風をよけれる場所で管理してください。
品種によって差がありますが、冬の寒さが苦手です。関東以南では露地栽培が十分可能ですが、寒がる場所に植えるときは株周りを敷き藁やココチップ等で覆うマルチングをし、霜よけと雑草よけをすることをお勧めします。
水はけの良い、肥沃な土を好みます。よほどやせた土壌でない限り、花が咲き始めるまでは肥料は控えめがいいです。地植えの場合は堆肥「極み」を1袋、鉢植えでは、みかんの土(肥料入り)を使って植えると簡単手軽&最高です!
春の植え付け方法
3~4月ごろが植え付け適期です。葉が芽吹いた後に植え付けする場合は根鉢はほぐさないで植えてください。
夏の植え付け方法
根をほぐさずに植えます。秋の彼岸までは雨が降らないときは水切れに注意です。
秋の植え付け方法
暖地では植え付け適期です。まだ暑い時期は根をほぐさずに植え、気温が下がっている時期なら根を広げて植えます。根がほぐれないときは無理にほぐさず植えます。
冬の植え付け方法
冬の最低気温が-5度以下になる地域や1年生果樹は春植えをおすすめします。植え方は秋の植え方と同じです。
水やり
地植えした場合は雨が当たる場所では水やりは雨に任せ、よほど雨が降らないときだけ土が乾いたら与えます。
鉢植えでは土が良く乾いたら水をたっぷり鉢底から流れ出るくらい与えます。土が乾いていなければ与えません。
肥料のやり方
肥料は花がつき始めてから与え始め、収穫量に応じて少しずつ量を増やしていきます。おすすめの有機肥料は みかんの肥料です。3月上旬と7月上旬に追肥として速効性の化成肥料(元気玉)を与えます。12月頃に寒肥として有機肥料のみかんの肥料を与えます。
肥料を与えなくても育つことは育ちますが、隔年結果になりやすいです。
花芽の付き方
柑橘類は前年に伸びた新しい枝の先端部の葉脇に花芽を含んだ混合芽が1~2月にできます。
前年に実をつけた新梢には花芽ができず発育枝だけが伸びますが、翌年の果実をつける結果母枝になります。結果母枝から芽吹いて枝が伸びて結果する有葉果は果実が大きく太ります。結果母枝から新しい枝が伸びずに花が直接結果枝に咲く直花果は養分不足になるので、小さい果実になり、収穫までに生理落果しやすいです。
剪定方法
枝を広げるように意識して樹形を作ると日あたりもよくおいしい果実が増えます。
1年生のは将来の成長と樹形作りのために主幹を地際から30~40cmの高さで切り戻して植えます。
寒い時期の剪定は控えます。
その他豆知識
秋から6月頃まで販売しております苗木は、冬の低温時期は休眠期になり、ほとんど生長がありません。1~3月頃の苗木は冬の寒さで葉が黄色くなったり、徐々に落葉します。
春になってから新芽を出すために、古くなった葉を樹が自ら落としす生理現象です。
葉がすべて落ちても株に力があれば、芽吹き育ちます。葉が少ないときは水は控えめに管理し、土が乾いてからたっぷり与えます。
病害虫の予防法
3~4月頃の新芽時はアブラムシがつくことがあります。通年、ハダニやカイガラムシ(ロウムシ)、ハモグリバエの幼虫、アゲハチョウがつくことがあります。
枝葉が込み合い風通しが悪いと病害虫がつきやすくなるので、茂りすぎないよう間引くことと、こまめに観察して発見しだい駆除してください。
育て方のまとめ
おいしい果実を増やすコツは、春から秋にハダニやアゲハチョウ、ハモグリバエなどに葉を食害されないようにして葉を多くすること。
日あたりによく当てて養分を蓄積させること。
柑橘類は成り年と不成り年を交互に繰り返すいわゆる隔年結果しやすいです。なり年は強めに切り戻し結果母枝の発生を促し、不成り年は剪定しないか間引く程度にして花芽を確保しておくと良いです。
増やし方
苗木は接木で増やします。
