
園芸店の植物管理のうんちく。
苗木部部長の高井尽です。
枝や幹を切ることを剪定といいます。
今は剪定は控えたほうが良い時期です。
理由は切れば芽吹くし、寒がるから。
冬の前はみかんやトネリコなどの常緑樹は剪定は控えるようにします。
枝葉がしげっていると樹冠内部は風通しが悪くなったりします。
剪定をすると風通しが良くなり、
外の葉に守られていた樹冠内部は寒くなるわけです。
例えるなら冬が近づくのに薄着にさせられるわけです。
剪定をすると樹勢が回復して芽吹きはじめたりします。
でも、今は芽吹いてくれないほうが良いです。
新芽は寒さに弱く、低温で縮れたりします。
今から芽吹いても葉がしっかり展開する前に冬になってしまいます。
なので、今は剪定は控えておいて、
切るのであれば落葉樹は12月に。
バラなどでは1~2月に。
常緑樹は春の直前に剪定をしましょう。
剪定をすると植物は反応して芽吹き始めたりします。
強めの剪定をすると樹勢が回復したり成長に勢いがでます。
ちなみに、やはり剪定をするには理由があります。
そのためには剪定の時期ではなくても、
剪定をしておく場合も多いです。
急いで切っておいたほうが良い剪定の場合は、時期を待たずに切ります。
急いで切ったほうが良い剪定とは、
茂りすぎて風通しが悪い場合(冬は寒がるので風通しは悪いほうが良い)
や、
伸びすぎた枝やつるの成長を止めておく場合(でも、冬は成長が止まるのでわざわざ冬に切らなくても良い)
や、
水切れや害虫などで弱った木の樹勢を早めに回復させたい場合や、
水やりが間に合わないなど枝葉を減らしておきたい場合(でも、冬は水切れしにくい)や、
移植などで根をいじることで水の吸い上げが心配になる場合などです。
ちなみに、
今の時期のお届け苗は植え痛みがないように、
なるべく剪定を済ませて出荷します。
不必要なのに秋に剪定をするくらいなら、
落葉樹は冬に剪定をしましょう。
常緑樹は3月頃、芽吹く頃に剪定をしておくと良いです。
というわけで、今は剪定の時期ではないのです。
園芸って素晴らしいです。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました!
苗木部 部長 高井尽(たかいつくす)